検査項目と測定方法の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
選択肢3について、ピークフローは努力呼出開始直後の最大呼気流量であり、フローボリューム曲線上で最も高い呼気流量の点として描出されます。選択肢5について、クロージングボリュームは、単一窒素呼出曲線を用いた検査で測定される項目です。この曲線では、呼気中に窒素濃度が急激に上昇する点(IV相)が閉鎖気量に対応します。
選択肢ごとの解説
- 1. スパイロメトリでは呼出可能な空気量しか測定できないため、残気量を直接測定することはできません。残気量は、ヘリウムガス希釈法や体プレチスモグラフ法などを用いて測定されます。正しくは:残気量 - ヘリウムガス希釈法選びやすい理由:肺活量などの基本的な肺機能検査と混同しやすいですが、残気量は特殊な測定法が必要です。混同注意:肺活量や努力肺活量といった、スパイロメトリで測定可能な項目と混同しやすいです。
- 2. 機能的残気量を測定する方法には、閉鎖回路式ヘリウム再呼吸法(ヘリウムガス希釈法)や体プレチスモグラフ法がありますが、「回呼吸法」という一般的な名称の測定法はありません。特に機能的残気量の測定には、呼気と吸気を繰り返すことで肺内のガスと検体を平衡させる原理が用いられます。正しくは:機能的残気量 - ヘリウムガス希釈法選びやすい理由:ヘリウムガス希釈法は文字通り繰り返し呼吸を行うため、「回呼吸法」という言葉が誤解を招きやすいかもしれません。混同注意:ヘリウムガス希釈法や体プレチスモグラフ法など、機能的残気量を測定する具体的な方法と混同しやすいです。
- 3. 正解。ピークフロー(PEF)は、フローボリューム曲線(努力呼出曲線)において、呼気の最大流量を示す項目であり、この曲線から直接読み取ることができます。
- 4. 肺拡散能(DLCO)の測定には、一酸化炭素(CO)とメタン(CH4)やヘリウム(He)などの不活性ガスを用いた単一呼吸法(single-breath method)が一般的に用いられます。「NDLQガス希釈法」という測定法は存在しません。正しくは:肺拡散能 - 一酸化炭素単一呼吸法選びやすい理由:ガス希釈法という言葉は肺機能検査で使われるため、正しい測定法と勘違いしやすいかもしれません。混同注意:ヘリウムガス希釈法(FRC測定)や、COを用いた肺拡散能測定法(単一呼吸法)と混同しやすいです。
- 5. 正解。クロージングボリューム(閉鎖気量)は、単一窒素呼出曲線を用いて測定される項目の一つであり、この曲線上のN2濃度の急激な上昇点(IV相)から算出されます。
国試ポイント
肺機能検査の各項目と、それを測定するために用いられる具体的な検査方法の組み合わせの正確な知識が問われています。特に、スパイロメトリで測定できない項目や、特殊なガスを用いる測定法について、正しい対応関係を理解しているかが重要です。
混同注意
各検査項目の名称と、測定原理や使用するガス、描かれる曲線(フローボリューム曲線、単一窒素呼出曲線など)が混同されやすい点です。また、似たような「ガス希釈法」という用語が複数の検査で用いられるため、どの検査でどのガスが使われるかを正確に覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合は、まず各検査項目の定義と、その項目が直接測定できるか、あるいは計算によって導き出されるかを確認します。次に、それぞれの検査方法がどのような原理に基づいているか、特に使用するガスや生成される曲線の種類に注目して判断します。
関連知識
肺気量分画(肺活量、残気量、全肺気量、機能的残気量など)、フローボリューム曲線の特徴(閉塞性障害、拘束性障害のパターン)、単一窒素呼出曲線の意義(末梢気道病変の評価)、肺拡散能の測定原理と臨床的意義。