赤血球の異常所見はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
カボット環は、巨赤芽球性貧血などで見られる赤血球内の封入体です。シーフナー斑点は、マラリア原虫に感染した赤血球に特異的に見られる異常所見です。一方、アウエル小体は白血病細胞(骨髄芽球など)、ドーレ小体は好中球、ラッセル小体は形質細胞に見られる異常所見であり、赤血球の異常ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。カボット環は、赤血球内に見られる糸状または環状の封入体で、核膜の残存物と考えられています。巨赤芽球性貧血などで観察されます。
- 2. アウエル小体は、骨髄芽球や前骨髄球など、骨髄性白血病細胞の細胞質に特徴的に見られる赤紫色の棒状構造物です。異常な顆粒物質が集合したものです。正しくは:アウエル小体は白血病細胞(主に骨髄芽球や前骨髄球)に認められる異常所見です。選びやすい理由:血液細胞の異常所見全般を問う問題と誤解すると、選択肢として認識してしまう可能性があります。混同注意:他の血球系異常所見(特に白血球系の異常)
- 3. ドーレ小体は、好中球の細胞質に見られる青灰色の顆粒状封入体で、粗面小胞体の残存物です。感染症や炎症、熱傷などの際に増加します。正しくは:ドーレ小体は好中球に認められる異常所見です。選びやすい理由:白血球の異常所見として比較的有名であるため、赤血球と誤認する可能性があります。混同注意:赤血球の封入体(例:ハインツ小体、パッペンハイマー小体)
- 4. ラッセル小体は、形質細胞の細胞質に存在する円形または卵円形の好酸性封入体で、免疫グロブリンの過剰な蓄積を反映しています。多発性骨髄腫などで見られます。正しくは:ラッセル小体は形質細胞に認められる異常所見です。選びやすい理由:小体という名称から、細胞内の封入体の一種であることは連想できますが、どの細胞に特異的かを誤解する可能性があります。混同注意:他の細胞の封入体(特にリンパ球系や形質細胞系の異常)
- 5. 正解。シーフナー斑点は、マラリア原虫(主に熱帯熱マラリア原虫を除く三日熱マラリア原虫や卵形マラリア原虫)に感染した赤血球に観察される赤色の斑点状の顆粒です。
国試ポイント
血液検査で観察される様々な細胞の異常所見について、どの細胞に特異的に現れるかを正確に理解しているかが問われる問題です。特に、赤血球、白血球、形質細胞の代表的な封入体や異常構造を区別できる必要があります。
混同注意
各小体や斑点の名称と、それがどの血球系細胞に特異的に現れるかの混同。特に、血球全般の異常として捉えてしまい、それぞれの特異性を失念しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各小体や斑点の名称だけでなく、『どの細胞(赤血球、好中球、骨髄芽球、形質細胞など)の、どのような状態(貧血、感染、白血病、多発性骨髄腫など)で観察されるか』を詳細に確認する必要があります。
関連知識
・赤血球の封入体:カボット環、ハインツ小体、パッペンハイマー小体(鉄顆粒赤血球)、ハウエル・ジョリー小体 ・白血球の封入体:ドーレ小体、アウエル小体(骨髄系白血病細胞) ・形質細胞の封入体:ラッセル小体、モット細胞(ブドウ状形質細胞) ・マラリア原虫による赤血球の変化:シーフナー斑点(三日熱、卵形マラリア)、マウラー斑点(熱帯熱マラリア)