検査法とその目的の組合せで誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
セロファンテープ法は、主に蟯虫(Enterobius vermicularis)の卵を検出するために用いられます。蟯虫は夜間に肛門周囲に産卵するため、この方法が効率的です。一方、鞭虫(Trichuris trichiura)の卵は、便中に排出されるため、便を検体とした直接塗抹法や集卵法(ホルマリン・エーテル法など)で検査します。したがって、「セロファンテープ法:鞭虫検査」という組み合わせは誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. この組み合わせは正しいです。シュレジンガー法は、便中のウロビリン体を定性的に検出する古典的な方法であり、胆道系の状態を評価するために用いられます。選びやすい理由:一般的な検査法と目的の組み合わせなので、正しいと判断しやすいです。混同注意:他の便検査法と混同することがあるかもしれません。
- 2. 正解。この組み合わせは適切ではありません。セロファンテープ法は、主に蟯虫卵の検出に用いられる検査法です。鞭虫(Trichuris trichiura)の卵は通常、便検査(直接塗抹法や集卵法)で検出されます。正しくは:セロファンテープ法:蟯虫検査選びやすい理由:セロファンテープ法が寄生虫検査の一種であるため、他の腸管寄生虫も検出できると誤解しやすいです。しかし、その原理上、肛門周囲に産卵する蟯虫に特化しています。混同注意:セロファンテープ法と便検査(集卵法など)の適用対象の違いを混同しやすいです。また、蟯虫以外の腸管寄生虫の検査法と混同しやすいです。
- 3. この組み合わせは正しいです。便潜血検査(便ヘモグロビン定量)は、大腸がんのスクリーニング検査として広く利用されています。便中の微量な血液を検出することで、大腸がんや前癌病変の存在を示唆します。選びやすい理由:一般的な検査法と目的の組み合わせなので、正しいと判断しやすいです。混同注意:便潜血検査の原理や、胃潰瘍など消化管出血全般のスクリーニングとしての位置づけと混同することがあるかもしれません。
- 4. この組み合わせは正しいです。スダンIII染色は、便中の脂肪滴を染色し、顕微鏡で観察することで脂肪の吸収不良(脂肪便)の有無を評価するために用いられます。これは膵外分泌不全や吸収不良症候群の診断に役立ちます。選びやすい理由:特定の染色法とその目的が明確なので、正しいと判断しやすいです。混同注意:他の便中の成分検査法と混同することがあるかもしれません。
- 5. この組み合わせは正しいです。ホルマリン・エーテル法(MGL法はその改良法の一つ)は、便中の寄生虫卵や幼虫、嚢子を濃縮して検出するための集卵法です。糞便中の不純物を取り除き、寄生虫成分を効率よく集めることで検出感度を高めます。選びやすい理由:複数の名前が出てくるため、少し複雑に感じるかもしれませんが、寄生虫集卵法として広く認識されているため、正しいと判断しやすいです。混同注意:直接塗抹法など、他の寄生虫検査法と混同することがあるかもしれません。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、各種検査法の目的、原理、適応疾患、そしてその検査で検出される対象について正確な知識が問われます。特に、類似する検査法(例:異なる寄生虫検査法)の区別や、特定の検査法が特異的に検出するもの(例:セロファンテープ法と蟯虫卵)を理解しているかが重要です。
混同注意
セロファンテープ法が他の腸管寄生虫(特に便中に卵を排出するもの)の検査にも適用できると誤解しやすい点。また、蟯虫卵と他の寄生虫卵の形態や検出法の違いを混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各検査法の名前だけでなく、その検査で『具体的に何を』『どのように』検出するのか、そして『どの疾患・目的のために』用いられるのかを詳細に確認する必要があります。特に、似たような目的を持つ検査法(例:寄生虫検査、消化吸収能検査)については、それぞれが特異的に検出する対象や原理の違いを明確に理解することが重要です。
関連知識
蟯虫の生活環と産卵様式、鞭虫の生活環と卵の排出様式。便検査における直接塗抹法、集卵法(浮遊法、沈殿法)、培養法など、各寄生虫検査法の特性。スダンIII染色以外の便中脂肪検査法(例:酸性脂肪染色)。便潜血検査の種類(免疫法、グアヤック法)とそれぞれの検出対象。