脱灰処理について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
脱灰処理において、組織を脱灰液中で振盪させることで、液の交換が促進され、組織表面からのカルシウムイオンの溶出が効率的に行われます。これにより、脱灰液が常に新鮮な状態に保たれ、脱灰反応の速度が向上するため、全体の処理時間を短縮することが可能です。
選択肢ごとの解説
- 1. 組織処理において、脱灰は通常、固定後の最初のステップとして行われ、脱脂(アルコール処理やキシレン処理)は脱水・透徹の段階で同時に、またはその後に脂肪染色など特殊な目的で行われます。脱灰と脱脂はそれぞれ異なる目的とタイミングで行われる処理であり、脱灰が脱脂に先行するという一般的な順序はありません。正しくは:脱灰は固定後に行われる処理であり、脱脂操作とは直接的な順序関係はありません。脱脂が必要な場合は、多くは組織処理のアルコール脱水やキシレン透徹の段階で副次的に行われるか、特定の染色前に実施されます。選びやすい理由:組織から余分なものを除去するという共通点から、順序を混同しやすいです。混同注意:脱水・透徹におけるアルコールやキシレンによる脱脂作用と、脱灰の順序を混同しやすいです。
- 2. 炭酸ガスが発生するのは、酸性の脱灰液が骨組織中の炭酸カルシウムと反応する際に生じる現象です。中性脱灰液(例: EDTA溶液)では、キレート作用によってカルシウムイオンを捕捉するため、炭酸ガスの発生はありません。正しくは:酸性の脱灰液を用いた場合に炭酸ガスが発生します。選びやすい理由:脱灰でガスが発生するという知識はあっても、その条件(酸性)を忘れていると選びやすいです。混同注意:酸性脱灰液と中性脱灰液による脱灰機構の違いを混同しやすいです。
- 3. EDTA(エチレンジアミン四酢酸)脱灰法は、キレート作用によりカルシウムを除去するため、組織の損傷が少なく、酵素活性や抗原性を比較的良好に保持できるのが大きな利点です。酸性脱灰法に比べて抗原性の保持に優れています。正しくは:EDTA脱灰法は、酸性脱灰法と比較して抗原性の保持に優れています。選びやすい理由:EDTA脱灰は時間がかかるため、その過程で抗原性が失われると誤解しやすいです。混同注意:酸性脱灰法による抗原性の劣化と、EDTA脱灰法の特性を混同しやすいです。
- 4. 正解。振盪器(シェーカー)を用いることで、脱灰液が常に新鮮な状態で組織表面に供給され、カルシウムイオンの拡散が促進されるため、脱灰反応の効率が向上し、結果的に脱灰時間を短縮することができます。
- 5. Plank-Rychlo法は、一般的に室温(約20〜25℃)で行われることが多いです。特定の目的で加温することもありますが、その場合でも40℃は一般的ではありません。加温しすぎると組織の劣化を招く可能性があります。正しくは:Plank-Rychlo法は、通常室温で行われます。選びやすい理由:脱灰を促進するために加温するという知識から、具体的な温度を誤認しやすいです。混同注意:脱灰を促進する他の方法(例:電気脱灰法での加温)と混同しやすいです。
国試ポイント
脱灰処理に関する基本的な知識、特にその原理、種類、および各方法の利点・欠点、ならびに効率化の手段について問われています。酸性脱灰液とEDTA脱灰液の特性、加温・振盪の効果、処理順序の理解が重要です。
混同注意
酸性脱灰とEDTA脱灰の特性(抗原性保持、ガス発生の有無)、脱灰と他の組織処理(脱脂など)の順序、脱灰促進要因(加温、振盪、電気脱灰)とその影響を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各脱灰法(酸、EDTA、電気分解)の具体的な反応メカニズム、それらが組織の形態や抗原性に与える影響、およびそれぞれの適用対象や注意点についてさらに詳しく問われる可能性があります。
関連知識
固定、脱水、透徹、包埋といった組織処理の全工程とそれぞれの目的。免疫組織化学における抗原性保持の重要性。各脱灰液の化学的性質(酸性、キレート作用)。