ヘモグロビン酸素解離曲線で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ヘモグロビン酸素解離曲線が右方偏移するということは、ヘモグロビンの酸素親和性が低下し、同じ酸素分圧下でより多くの酸素を組織に供給しやすくなることを意味します。これにより、末梢組織での酸素放出量が増加します。
選択肢ごとの解説
- 1. ヘモグロビン酸素解離曲線の横軸は、酸素分圧(PaO2)です。正しくは:横軸は酸素分圧(PaO2)である。選びやすい理由:グラフの軸は様々な物理量を表すため、時間と誤認する可能性。混同注意:他の生理学的グラフの軸(例:心電図の横軸など)
- 2. ヘモグロビン酸素解離曲線の縦軸は、ヘモグロビン酸素飽和度(SaO2)です。正しくは:縦軸はヘモグロビン酸素飽和度(SaO2)である。選びやすい理由:PaO2とSaO2は密接に関連するため、軸の役割を混同しやすい。混同注意:酸素分圧と酸素飽和度の概念
- 3. 体温が上昇すると、ヘモグロビンと酸素の結合力が低下し、酸素の放出が増えるため、曲線は右にシフトします。正しくは:体温上昇で右方偏移する。選びやすい理由:シフト方向の記憶が曖昧な場合、左右を間違えやすい。混同注意:右方偏移と左方偏移を促す因子(Bohr効果の理解不足)
- 4. アルカレミア(pH上昇)では、ヘモグロビンと酸素の結合力が増強し、酸素の放出が減るため、曲線は左にシフトします。正しくは:アルカレミアで左方偏移する。選びやすい理由:アシドーシスとアルカレミアにおけるシフト方向を混同しやすい。混同注意:Bohr効果の理解(pHと酸素親和性の関係)
- 5. 正解。右方偏移は、同じ酸素分圧でヘモグロビンがより多くの酸素を放出しやすくなる状態を示します。これにより、末梢組織への酸素供給が増大します。正しくは:正しいため修正不要選びやすい理由:右方偏移が必ずしも良いこととは限らない状況(例:重篤なアシドーシスなど)と混同してしまい、酸素放出の増加が悪い結果であると誤解する可能性。混同注意:右方偏移と左方偏移による酸素運搬能の変化
国試ポイント
ヘモグロビン酸素解離曲線の基本的な概念、特に軸の定義、シフトに影響を与える因子(Bohr効果)、そしてその生理学的意義(酸素運搬への影響)が問われることが多いです。左右のシフトが示す生理学的意味を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
曲線が左右にシフトする際の因子(pH、体温、2,3-BPGなど)と、それぞれのシフトが酸素運搬に与える影響を混同しやすいです。特に、アシドーシスとアルカレミア、体温上昇と体温低下によるシフト方向は頻繁に問われます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず軸が何を意味するかを確認し、次に各要因がヘモグロビンの酸素親和性にどう影響するか(結合強化→左方偏移、結合低下→右方偏移)を検討し、最後にその結果として組織への酸素供給がどう変化するかを判断します。
関連知識
Bohr効果、2,3-ビスホスホグリセリン酸(2,3-BPG)、ヘモグロビンの構造と酸素結合、酸素飽和度(SaO2)と酸素分圧(PaO2)の関係。