肝炎ウイルスについて正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
D型肝炎ウイルスはB型肝炎ウイルスが存在しないと増殖できない不完全ウイルスであり、共感染または重複感染します。E型肝炎ウイルスはA型肝炎ウイルスと同様に経口感染(糞口感染)が主な感染経路です。
選択肢ごとの解説
- 1. A型肝炎ウイルスはエンベロープを持たない一本鎖RNAウイルスです。正しくは:A型肝炎ウイルスはRNAウイルスである。選びやすい理由:肝炎ウイルスにはDNAとRNAの両方があるため、どちらかに分類されると誤って判断しやすい。混同注意:HBVがDNAウイルスであること。
- 2. B型肝炎ウイルスは部分二本鎖DNAウイルスです。逆転写酵素を持つ特殊なDNAウイルスです。正しくは:B型肝炎ウイルスはDNAウイルスである。選びやすい理由:多くの肝炎ウイルスがRNAウイルスであるため、これもそうだと誤って判断しやすい。混同注意:HCVやHAVがRNAウイルスであること。
- 3. C型肝炎ウイルス抗体は感染の指標にはなりますが、ウイルスの中和活性は限定的で、感染を防御するほどの強力な中和抗体ではありません。そのため、ワクチン開発が困難です。正しくは:C型肝炎ウイルス抗体は感染の既往を示すが、強力な中和作用は期待できない。選びやすい理由:多くのウイルス感染症において、抗体は中和作用を持つため、C型肝炎でも同様だと誤解しやすい。混同注意:他のウイルス感染症で中和抗体が防御に重要であること。
- 4. 正解。D型肝炎ウイルス(HDV)は不完全ウイルスであり、増殖にB型肝炎ウイルス(HBV)のHBs抗原(エンベロープタンパク)を必須とします。そのため、HBV感染者でなければ感染・増殖できません。選びやすい理由:HBVとの関連性が明確なため、この選択肢は比較的選びやすい。混同注意:HBV単独感染とHDV合併感染の病態の違い。
- 5. 正解。E型肝炎ウイルス(HEV)は主に糞口感染によって広がります。特に、加熱不十分な肉(豚肉、鹿肉など)や汚染された水からの感染が報告されています。選びやすい理由:A型肝炎と同様に経口感染が主体であるため、知識があれば選択しやすい。混同注意:A型肝炎とE型肝炎の経路の類似性(糞口感染)。
国試ポイント
各肝炎ウイルスのゲノムの種類(DNAかRNAか)、感染経路、および特異的な特徴(D型肝炎ウイルスの増殖にはB型肝炎ウイルスのヘルパー機能が必要な点、C型肝炎抗体の中和能の限界など)について、正確な知識が問われています。
混同注意
A型とE型肝炎の感染経路が同じ経口感染であること、B型がDNAウイルスでC型がRNAウイルスであること、D型がB型に依存すること、C型抗体の中和能が低いこと。
次に同じ論点が出たら
次に出題される際は、各肝炎ウイルスの診断マーカー(抗原・抗体)とその意義、または慢性化の有無やワクチンの有無について問われる可能性があります。
関連知識
各肝炎ウイルスの分類(ピコルナウイルス科、ヘパドナウイルス科、フラビウイルス科など)、遺伝子型、ウイルス構造(エンベロープの有無)、急性・慢性化の有無、診断マーカー、治療法、ワクチン有無など。