蛋白質に糖鎖の付加が行われるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
タンパク質への糖鎖付加は、主に粗面小胞体とゴルジ装置で行われる翻訳後修飾です。粗面小胞体でN結合型糖鎖の最初の付加が行われた後、ゴルジ装置で糖鎖のさらなる修飾(伸長、トリミング、O結合型糖鎖の合成など)が完了します。この問題では「付加が行われるのはどれか」と問われており、ゴルジ装置は糖鎖付加と修飾の中心的な役割を担うため正解となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 核は主に遺伝情報の貯蔵と転写の場であり、タンパク質の糖鎖付加には関与しません。正しくは:遺伝情報の貯蔵と転写が行われる。選びやすい理由:細胞の中心にあり、生命活動全般に関わる重要な器官という漠然としたイメージから誤って選ばれる可能性がある。混同注意:他の細胞小器官の機能と混同しやすい。
- 2. 細胞膜は細胞内外の物質輸送や情報伝達に関与しますが、タンパク質への糖鎖付加自体が行われる場所ではありません。糖タンパク質は細胞膜上に存在しますが、付加反応は細胞膜以外の場所で行われます。正しくは:細胞内外の物質輸送や情報伝達の場である。選びやすい理由:糖タンパク質が細胞膜の構成成分であるため、そこで糖鎖付加が行われると誤解しやすい。混同注意:糖タンパク質の「存在場所」と「合成場所」を混同しやすい。
- 3. 正解。ゴルジ装置(ゴルジ体)は、粗面小胞体で合成されたタンパク質を受け取り、糖鎖の修飾(付加や再構成)を行う主要な場所です。特にN結合型糖鎖の後期修飾やO結合型糖鎖の合成が行われます。
- 4. リソソームは細胞内の不要な物質や老朽化した細胞小器官を分解する役割を担う細胞小器官です。糖鎖付加とは直接関係ありません。正しくは:細胞内の分解を行う。選びやすい理由:消化・分解という機能のイメージから、何らかの化学反応が行われると連想しやすい。混同注意:他の細胞小器官の機能と混同しやすい。
- 5. リボソームはタンパク質を合成する(翻訳する)場所ですが、糖鎖の付加は行いません。糖鎖付加はタンパク質合成後に別の細胞小器官で行われる翻訳後修飾です。正しくは:アミノ酸からタンパク質を合成(翻訳)する。選びやすい理由:タンパク質合成の初期段階に関わるため、一連の反応として糖鎖付加も行われると誤解しやすい。混同注意:タンパク質合成と翻訳後修飾の場所を混同しやすい。
国試ポイント
細胞小器官の具体的な機能、特にタンパク質の合成経路と翻訳後修飾の場所を正確に理解しているかを問う問題です。粗面小胞体、ゴルジ装置、リボソームの役割の区別が重要です。
混同注意
リボソーム(タンパク質合成)とゴルジ装置(翻訳後修飾)、細胞膜(糖タンパク質の最終的な存在場所)とゴルジ装置(糖鎖付加の場所)が混同されやすい。粗面小胞体も糖鎖付加の初期段階を行うため、選択肢にあれば鑑別が必要になる。
次に同じ論点が出たら
粗面小胞体の機能、リボソームの機能、タンパク質の分泌経路(小胞体→ゴルジ体→分泌小胞→細胞外)を理解しているか。
関連知識
粗面小胞体でのN結合型糖鎖の初期付加(オリゴ糖転移酵素による)、ゴルジ装置でのN結合型糖鎖の成熟とO結合型糖鎖の合成、リソソーム酵素のマンノース-6-リン酸標識。