急性リンパ芽球性白血病にみられる染色体異常はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
急性リンパ性白血病(ALL)では、様々な染色体異常が報告されていますが、中でもt(9;22)(フィラデルフィア染色体)は成人ALLの約25〜30%に見られ、予後不良因子として重要です。t(8;14)はバーキットリンパ腫、t(8;21)は急性骨髄性白血病M2型、t(14;18)は濾胞性リンパ腫、t(15;17)は急性前骨髄球性白血病にそれぞれ特徴的な染色体異常です。
選択肢ごとの解説
- 1. t(8;14)はバーキットリンパ腫(成熟B細胞性腫瘍)やB細胞性急性リンパ性白血病の一部に見られますが、特に急性骨髄性白血病(AML)や急性リンパ性白血病の代表的な異常として広く問われるわけではありません。代表的なのはt(9;22)です。正しくは:t(8;14)は、MYC遺伝子と免疫グロブリン重鎖遺伝子の転座であり、バーキットリンパ腫で特徴的です。選びやすい理由:染色体転座が白血病に関与することは知られているため、他の選択肢と同様に病態との関連性を想起させるかもしれません。混同注意:他の白血病やリンパ腫における主要な染色体異常と混同しやすいです。
- 2. t(8;21)は、急性骨髄性白血病(AML)のM2型で特徴的に見られる染色体異常です。正しくは:t(8;21)は、AML1/RUNX1T1融合遺伝子を形成し、急性骨髄性白血病(特にM2型)の予後良好群に関連します。選びやすい理由:白血病における代表的な染色体異常の一つであるため、急性リンパ性白血病でも見られると誤解しやすいです。混同注意:急性骨髄性白血病の代表的な染色体異常と混同しやすいです。
- 3. 正解。t(9;22)は、フィラデルフィア染色体として知られ、BCR-ABL1融合遺伝子を生成します。これは慢性骨髄性白血病(CML)の診断マーカーとして最も有名ですが、成人急性リンパ性白血病(ALL)の約25%〜30%で見られ、特に予後不良因子として重要です。小児ALLでは5%未満です。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:慢性骨髄性白血病のイメージが強いため、ALLでも見られることを知らないと誤答する可能性があります。混同注意:慢性骨髄性白血病の代表的な染色体異常と誤認し、急性リンパ性白血病では見られないと判断してしまう可能性があります。
- 4. t(14;18)は、濾胞性リンパ腫で特徴的に見られる染色体異常であり、Bcl-2遺伝子の過剰発現を引き起こします。正しくは:t(14;18)は、濾胞性リンパ腫の約85%に見られる代表的な転座です。選びやすい理由:リンパ系腫瘍でよく見られる染色体異常として、急性リンパ性白血病でも関連があるように思えるかもしれません。混同注意:濾胞性リンパ腫の代表的な染色体異常と混同しやすいです。
- 5. t(15;17)は、急性前骨髄球性白血病(APL、AMLのM3型)で特徴的に見られる染色体異常です。PML-RARα融合遺伝子を形成し、レチノイン酸治療が有効です。正しくは:t(15;17)は、急性前骨髄球性白血病(APL)の診断に必須の染色体異常です。選びやすい理由:白血病の主要な染色体異常としてよく出題されるため、急性リンパ性白血病でも関連があるように思えるかもしれません。混同注意:急性骨髄性白血病(特にM3型)の代表的な染色体異常と混同しやすいです。
国試ポイント
白血病やリンパ腫の主要な疾患と、それに特徴的な染色体異常の組み合わせを正確に覚えているかが問われます。特にt(9;22)が慢性骨髄性白血病だけでなく、成人急性リンパ性白血病にも見られる点が重要です。
混同注意
各白血病・リンパ腫に特異的な転座が多いため、それぞれの疾患と染色体異常の組み合わせを正確に記憶していないと混同しやすいです。特にt(9;22)がCMLだけでなくALLにも見られる点が引っ掛けになりやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、まず疾患の種類(急性リンパ性、急性骨髄性、慢性骨髄性、リンパ腫など)を特定し、その疾患に最も典型的な、あるいは重要な染色体異常を思い出すことが重要です。特に複数の疾患で見られる異常(t(9;22)など)には注意が必要です。
関連知識
染色体異常と関連する融合遺伝子(例: t(9;22) → BCR-ABL1、t(15;17) → PML-RARα)、それらの異常が疾患の発症機序や予後にどのように影響するか、また治療法(例: BCR-ABL1に対するチロシンキナーゼ阻害薬、PML-RARαに対するレチノイン酸)も関連知識として重要です。