異常所見と疾患の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
多発性骨髄腫は形質細胞の腫瘍性増殖によって特徴づけられる疾患であり、過剰に産生された免疫グロブリンが形質細胞内に蓄積してラッセル小体として観察されることがあります。したがって、「ラッセル小体 - 多発性骨髄腫」の組み合わせが正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. アウエル小体は、急性骨髄性白血病(特に骨髄芽球や前骨髄球)に特徴的に見られる桿状または針状の細胞内封入体であり、急性リンパ性白血病では通常認められません。正しくは:アウエル小体 - 急性骨髄性白血病選びやすい理由:どちらも「急性白血病」という大きなカテゴリーに含まれるため、細胞内の異常所見と結びつけてしまいやすいです。白血病細胞に見られる異常構造として混同する可能性があります。混同注意:急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病の鑑別点、特に細胞形態学的特徴。
- 2. ドーレ小体は、重症感染症、火傷、妊娠後期などで、好中球の細胞質内に見られる好塩基性の小型の封入体(粗面小胞体の残存物)です。伝染性単核球症で特徴的なのは、肝臓や脾臓で増殖したウイルス感染リンパ球である異型リンパ球の出現です。正しくは:ドーレ小体 - 重症細菌感染症選びやすい理由:伝染性単核球症も血液細胞に変化を来す感染症であるため、何らかの細胞内小体が関連すると誤解しやすいです。混同注意:様々な感染症に伴う白血球の形態変化全般。
- 3. 正解。ラッセル小体は、形質細胞の細胞質内に過剰に産生・蓄積された免疫グロブリンが形成する好酸性の封入体です。多発性骨髄腫では、異常に増殖した形質細胞において、しばしばこれらの小体が観察されます。正しくは:この組み合わせは正しいです。
- 4. 好中球核の過分節(核が5分節以上を示す)は、ビタミンB12欠乏や葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血に特徴的な所見です。重症感染症では、幼若な好中球の増加(左方移動)や好中球の顆粒毒性、空胞形成などが見られますが、核の過分節は通常見られません。正しくは:好中球核の過分節 - 巨赤芽球性貧血選びやすい理由:重症感染症でも好中球に様々な形態変化が見られるため(左方移動など)、核の異常が起こると連想されやすいです。混同注意:巨赤芽球性貧血における好中球の核の異常(過分節)と、感染症における好中球の核の異常(左方移動)。
- 5. 偽ペルゲル・フエット核異常は、好中球の核が正常に分節せず、2分節(眼鏡型やダンベル型)あるいは未分節のままとどまる遺伝性または後天性の形態異常です。骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病などで認められます。巨赤芽球性貧血の特徴的な好中球の所見は核の過分節であり、偽ペルゲル・フエット核異常ではありません。正しくは:偽ペルゲル・フエット核異常 - 骨髄異形成症候群選びやすい理由:巨赤芽球性貧血も血液細胞の形態異常を伴う疾患であるため、核の異常と関連付けてしまいやすいです。混同注意:巨赤芽球性貧血における好中球の核の過分節と、骨髄異形成症候群などで見られる好中球の偽ペルゲル・フエット核異常。
国試ポイント
本問題は、血液学分野における主要な異常所見(細胞内封入体や核の形態異常など)と、それらが特徴的に見られる疾患との正確な組み合わせに関する知識を問うものです。個々の所見の形態学的特徴と、それが関連する疾患を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
白血病の種類(AML vs ALL)と特異的な細胞内所見(Auer小体)、貧血や造血器腫瘍における好中球核の形態異常(過分節 vs 偽Pelger)が混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出題された場合、各異常所見がどの細胞に、どのような形で、どのような疾患で出現するのか、より詳細な情報が問われる可能性があります。例えば、アウエル小体が骨髄芽球や前骨髄球に見られること、ドーレ小体が好中球に見られることなど、出現細胞種まで正確に記憶しているか確認しましょう。
関連知識
各選択肢の異常所見(Auer小体、Döhle小体、Russell小体、核の過分節、偽Pelger核異常)の定義、形態学的特徴、およびそれらが見られる主な疾患(急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、重症感染症、伝染性単核球症、多発性骨髄腫、巨赤芽球性貧血、骨髄異形成症候群)を網羅的に学習することが重要です。