ノーマライゼーションで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
ノーマライゼーションは、障害を持つ人々が、障害のない人々と同様に社会の中で「普通」の生活を送る権利を持つという考え方です。この理念を実現するためには、社会全体の意識変革(社会的理解の促進)と、あらゆる人が利用しやすい環境作り(ユニバーサルデザインの導入)が不可欠です。具体的な支援策や制度、治療目標は、ノーマライゼーションの理念を実現するための「手段」や「関連概念」であり、理念そのものではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ノーマライゼーションは、障害のあるなしに関わらず誰もが地域社会で普通の生活を送れることを目指す理念です。この実現には、社会全体の意識改革と、障害に対する理解促進が不可欠です。
- 2. 住宅改修費の支給は、ノーマライゼーションを実現するための具体的な「手段」の一つであり、障害を持つ人々の生活を支援する上で重要ですが、ノーマライゼーションの「理念」そのものを表すものではありません。正しくは:ノーマライゼーションは「理念」であり、具体的な「支援策」はその理念を実現するための手段であると理解する。選びやすい理由:障害を持つ人々の生活を支援する具体的な取り組みであるため、ノーマライゼーションの一環として正しいと感じやすい。混同注意:ノーマライゼーションの「目的」とそれを達成するための「手段」を混同しやすい。
- 3. 障害者手帳の交付は、障害を持つ人々が福祉サービスや支援を受けるための「制度的な証明」です。社会参加を促進する側面はありますが、障害を区分・定義する行政的なツールであり、ノーマライゼーションの「理念」そのものとは異なります。正しくは:障害者手帳の交付は、各種サービスを受けるための行政的な手続きであり、ノーマライゼーションの理念(障害の有無に関わらず、あたりまえの生活を送ること)とは異なる側面を持つ。選びやすい理由:障害者支援に関連する制度であるため、ノーマライゼーションと結びつけてしまいがち。混同注意:障害者支援の「制度」とノーマライゼーションの「理念」を混同しやすい。
- 4. ノーマライゼーションは「障害を治すこと」を直接の目的とはしていません。障害を持つ人が障害と共に、健常者と同じように社会生活を送れるよう環境を整えることを目指す理念です。心身機能の正常化は「治療」や「リハビリテーション」の目標であり、ノーマライゼーションとは異なる概念です。正しくは:ノーマライゼーションは、障害そのものをなくすことではなく、障害があっても社会で普通に生活できる環境を整備することである。選びやすい理由:「ノーマル」という言葉から、心身が正常になることと誤解しやすい。混同注意:「ノーマライゼーション(社会的な正常化)」と「身体機能の正常化(医学的な治療目標)」を混同しやすい。
- 5. 正解。ユニバーサルデザインは、障害の有無、年齢、能力などに関わらず、誰もが使いやすい製品や環境を設計する考え方です。これはノーマライゼーションの理念を具体的な形にする重要な手段であり、社会の物理的・情報的なバリアを取り除くことで、誰もが「普通」に生活できる環境を創出します。
国試ポイント
ノーマライゼーションの「理念」と、それを実現するための「具体的な手段」や「関連する制度・概念」とを明確に区別できるかどうかが問われる。特に「ノーマル」という言葉に惑わされず、社会的なバリアフリー化の考え方を理解しているかが重要。
混同注意
ノーマライゼーションの「理念」と、具体的な「支援策」や「制度」。ノーマライゼーションと「治療」や「リハビリテーション」。また、「ノーマル」という言葉からくる医学的な「正常化」と、社会的な「普通化」。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、ノーマライゼーションの理念を問う問題のほか、ユニバーサルデザインの具体的な事例やバリアフリーとの違い、ICFとの関連など、より具体的な応用知識が問われる可能性がある。また、関連する国際的な取り決め(例: 障害者権利条約)との関連も確認しておくと良い。
関連知識
ユニバーサルデザインの7原則。バリアフリーとユニバーサルデザインの違い。ICF(国際生活機能分類)の考え方。障害者総合支援法など、関連する法律・制度。