エネルギー代謝を示す反応はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
異化と同化は、生体内での化学反応を通じてエネルギーを産生・消費し、物質の合成・分解を行う一連のプロセスであり、これらを総称してエネルギー代謝と呼びます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。異化は、体内の複雑な有機物を分解し、単純な物質に変える過程で、エネルギーを産生する代謝経路です。このエネルギーは生命活動に利用されます。
- 2. 角化は、皮膚の表皮細胞がケラチンというタンパク質を蓄積し、最終的に硬い角質層を形成する過程です。これは細胞の分化や組織の形成に関わる現象であり、直接的なエネルギー代謝反応ではありません。正しくは:角化は細胞の分化・組織形成に関わる反応であり、エネルギー代謝そのものではありません。選びやすい理由:「化」という接尾語があるため、体内で起こる反応の一つとして選びやすいかもしれませんが、その内容はエネルギー代謝とは異なります。混同注意:異化と同化のような生化学的なエネルギー代謝と、形態形成や組織の変化を混同しやすいです。
- 3. 石灰化は、リン酸カルシウムなどのミネラルが組織に沈着する現象です。骨や歯の形成には不可欠ですが、病的状態でも起こり、これも直接的なエネルギー代謝反応ではありません。正しくは:石灰化はミネラルの沈着による組織の変化であり、エネルギー代謝そのものではありません。選びやすい理由:体内で起こる「変化」であるため、代謝反応の一種と誤解しやすいかもしれません。混同注意:生化学的プロセスと、物質の沈着による物理的・組織的な変化を混同しやすいです。
- 4. 正解。同化は、単純な分子から複雑な生体物質(タンパク質、脂質、核酸など)を合成する過程です。この反応にはエネルギーの消費が伴い、成長や組織の修復に不可欠な代謝経路です。
- 5. 瘢痕化は、損傷を受けた組織がコラーゲン線維などからなる結合組織(瘢痕)に置き換わる治癒過程です。これは組織の修復現象であり、エネルギーの生成や利用を直接示す代謝反応とは異なります。正しくは:瘢痕化は損傷組織の修復過程であり、エネルギー代謝そのものではありません。選びやすい理由:体内で起こる組織の変化として、他の選択肢と同様に代謝と誤解する可能性があります。混同注意:正常な生体内の代謝反応と、病的な組織修復プロセスを混同しやすいです。
国試ポイント
看護師国家試験では、生体の基本的な生理機能や生化学的プロセスに関する知識が問われます。特に、代謝の中でも「異化」と「同化」という基本的なエネルギー代謝の概念と、それ以外の細胞や組織の変化を示す用語とを明確に区別できるかが重要です。用語の意味を正確に理解しているかを問う問題として出題されます。
混同注意
生化学的な代謝反応(異化、同化)と、細胞や組織レベルでの形態形成(角化)、物質の沈着(石灰化)、組織修復(瘢痕化)といった現象が混同しやすいです。特に「化」という接尾語を持つ単語が多いため、それぞれの意味を混同しやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
次回同様の論点が出題された場合、選択肢に挙げられる用語が、単なる「体内で起こる変化」なのか、それとも「エネルギーの産生や消費を伴う生化学的な物質変換(代謝)」なのかを区別できるかが重要です。具体的には、化学結合の切断や形成によるエネルギーの出入りが主たる目的であるかを確認します。
関連知識
異化:分解反応、エネルギー産生(例:グルコースの酸化によるATP産生)。同化:合成反応、エネルギー消費(例:タンパク質合成、グリコーゲン合成)。これらの反応はATP(アデノシン三リン酸)とADP(アデノシン二リン酸)の相互変換を介して行われます。関連する経路として、解糖系、TCAサイクル、呼吸鎖、糖新生などが挙げられます。角化は皮膚のバリア機能、石灰化は骨や歯の形成だけでなく、動脈硬化や結石など病的状態でもみられます。瘢痕化は創傷治癒のプロセスです。