電解質異常と症候の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
高カリウム血症は、特に重症化すると心筋の興奮伝導に異常をきたし、心電図変化(T波の増高、QRS幅の延長など)を経て、最終的に致死的な不整脈である心室細動や心停止に至る危険性があります。したがって、「高カリウム血症と心室細動」の組み合わせは正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。重度の高カリウム血症は、心臓の電気伝導系に深刻な影響を与え、致死的な不整脈である心室細動を誘発する可能性があります。これは生命に関わる緊急性の高い状態です。
- 2. 低カリウム血症では、心電図上でQT時間が延長することが典型的です。QT時間の短縮は、高カルシウム血症やジギタリス中毒などで見られます。正しくは:低カリウム血症ではQT時間が延長します。選びやすい理由:電解質異常が心臓の電気活動に影響を与えるという大まかな認識から、正しい組み合わせのように感じられるかもしれません。混同注意:高カルシウム血症やジギタリス中毒によるQT時間の短縮と混同しやすいです。
- 3. ナトリウム高値血症は、体内の水分不足やナトリウム過剰によって血中のナトリウム濃度が上昇する状態です。一方、水中毒は、過剰な水分摂取により体液が希釈され、血中のナトリウム濃度が低下する(低ナトリウム血症)病態を指します。両者は対極の概念です。正しくは:ナトリウム高値血症は脱水症状や意識障害などと関連します。水中毒は低ナトリウム血症の主要な原因です。選びやすい理由:ナトリウムと水分は密接に関わるため、一見すると関連性があるように思えますが、その病態は全く異なります。混同注意:電解質と水分のバランスの異常が引き起こす病態について、その原因と結果を混同しやすいです。
- 4. 口渇は、体の水分が不足している(脱水)か、血中のナトリウム濃度が高い(高ナトリウム血症)場合に、体が水分を補給しようとするサインとして現れることが多いです。ナトリウム低値血症では、口渇は通常主要な症状ではありません。正しくは:高ナトリウム血症や脱水時に口渇が見られます。低ナトリウム血症では、頭痛、悪心、嘔吐、意識障害などが起こることがあります。選びやすい理由:電解質異常が全身症状を引き起こすという点では正しいですが、口渇は高ナトリウム血症や脱水の症状であり、低ナトリウム血症ではむしろ見られないことが多いです。混同注意:脱水や高ナトリウム血症の症状と低ナトリウム血症の症状を混同しやすいです。
国試ポイント
電解質異常(特にカリウム、ナトリウム)が身体、特に心臓機能に与える影響とその代表的な症状・心電図変化について正確な知識が問われています。それぞれの異常が引き起こす病態生理を正確に理解しているかが鍵となります。
混同注意
各電解質異常の症状や心電図変化の方向性(延長か短縮か、口渇があるかないかなど)が逆の選択肢や、別の電解質異常と混同させるような選択肢が誤りとして提示される傾向にあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、まず『高カリウム血症による致死性不整脈』が重要な論点となることを念頭に置き、各電解質異常がどの臓器にどのような影響を与えるのか(特に心電図変化と神経症状)を正確に判断することが求められます。また、原因と症状のペアが正しいか、症状の方向性(例:QT延長か短縮か)が正しいかを細かくチェックする必要があります。
関連知識
高カリウム血症の主な原因(腎不全、薬剤など)、症状(筋力低下、不整脈)、治療(インスリン・ブドウ糖投与、透析など)。低カリウム血症の原因(利尿薬、嘔吐・下痢など)、症状(筋力低下、麻痺性イレウス、QT延長)、治療。高ナトリウム血症・低ナトリウム血症の原因、症状、治療。