腓骨神経麻痺のアセスメントで観察するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
腓骨神経麻痺では、下腿前面の筋肉群(前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋など)が麻痺するため、足関節の背屈(足首を上方に持ち上げる動き)と足趾の伸展ができなくなります。これにより、歩行時に足が持ち上がらず、つま先が地面に引っかかる「下垂足」を呈します。したがって、足関節の背屈の可否は腓骨神経麻痺の主要な評価項目です。
選択肢ごとの解説
- 1. 膝関節の屈曲は主に大腿後面や下腿後面の筋肉(ハムストリングス、腓腹筋など)によって行われ、これらの筋肉は主に坐骨神経(脛骨神経部分)や大腿神経によって支配されており、腓骨神経麻痺の直接的な症状ではありません。正しくは:膝関節の屈曲は主に脛骨神経や大腿神経によって支配されます。選びやすい理由:下肢全体の機能障害として漠然と捉えやすい可能性があります。混同注意:下肢の他の神経麻痺(例:大腿神経麻痺が膝関節伸展に影響すること)や、関節疾患による可動域制限。
- 2. 正解。腓骨神経麻痺では、足関節の背屈を行う前脛骨筋などが麻痺するため、足関節を上方に持ち上げる動き(背屈)ができなくなります。これは腓骨神経麻痺の最も特徴的な症状の一つです。選びやすい理由:腓骨神経麻痺の典型的な症状であるため、選択しやすいです。混同注意:他の神経麻痺による運動障害との区別をしっかり理解していれば迷うことは少ないです。
- 3. 膝の裏側(膝窩)の感覚は主に脛骨神経の枝である腓腹神経や大腿神経の枝である後大腿皮神経などによって支配されており、腓骨神経麻痺の直接的な感覚障害部位ではありません。腓骨神経の感覚枝は下腿外側から足背にかけての感覚を支配します。正しくは:腓骨神経麻痺による感覚障害は、下腿外側から足背にかけて生じます。選びやすい理由:漠然と下肢の感覚障害として捉えやすいですが、具体的な支配領域を理解しているかが問われます。混同注意:他の神経の感覚支配領域(例:脛骨神経や大腿神経の感覚支配)や、坐骨神経全体の障害による感覚障害。
- 4. 足の裏側(足底)の感覚は主に脛骨神経(内側足底神経、外側足底神経)によって支配されており、腓骨神経麻痺では足底の感覚障害は通常みられません。正しくは:足底の感覚は主に脛骨神経によって支配されます。腓骨神経麻痺では、足底の感覚は保たれます。選びやすい理由:足全体の感覚障害として一括りに考えてしまいがちです。混同注意:脛骨神経麻痺による感覚障害(足底の感覚鈍麻)や、多発神経炎など広範な感覚障害。
国試ポイント
腓骨神経麻痺の主要症状として、下垂足と足関節背屈不能を覚えること。また、その原因となる筋肉群と神経支配の関係を理解することが重要です。
混同注意
脛骨神経麻痺や大腿神経麻痺との症状の違いを混同しやすい。脛骨神経麻痺は足関節の底屈や足趾の屈曲に影響し、大腿神経麻痺は膝関節の伸展に影響します。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、「足関節の背屈」に関連する選択肢、または「下垂足」を直接示す記述がある選択肢に注目して判断します。
関連知識
腓骨神経は坐骨神経から分岐し、腓骨頭の周囲を走行するため、この部位での圧迫や損傷により麻痺が生じやすいです(例:ギプス固定、長時間の中腰作業、外傷)。感覚障害は下腿外側から足背にかけて現れます。