法律とその内容の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
障害者虐待防止法は、「障害者虐待の防止、障害者虐待を受けた障害者の保護及び自立の支援その他の障害者虐待に係る問題に関する対策を推進すること」を目的としています。この法律は、障害者に対する虐待の定義、虐待の防止、市町村等による相談・通報受付・調査、保護、養護者への支援などを定めており、選択肢の内容はまさにその核心を突いています。
選択肢ごとの解説
- 1. 医療的ケア児が学校で支援を受けるための看護師配置については、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」に主に規定されています。児童福祉法は、より広範な児童の健全な育成を目的とし、多様な福祉サービスを定めていますが、具体的な学校への看護師配置を規定するものではありません。正しくは:「児童福祉法全ての児童の健全な育成を目的とした、多様な福祉サービスの提供」選びやすい理由:児童福祉という言葉から、医療的ケア児への支援も含まれると誤解しやすい。混同注意:児童福祉法と医療的ケア児支援法との混同。
- 2. 経済的な理由で助産施設への入所が必要な妊産婦に対する措置は、「児童福祉法」に規定されています。母子保健法は、妊産婦や乳幼児の健康増進を目的とし、健康診査や保健指導、養育医療などの提供を定めています。正しくは:「母子保健法妊産婦や乳幼児の健康診査や健康教育の実施」選びやすい理由:妊産婦に関する内容であるため、母子保健法と直接関連すると考えやすい。混同注意:母子保健法と児童福祉法との混同。
- 3. 20歳未満の飲酒禁止は、「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」(未成年者飲酒禁止法)に定められています。アルコール健康障害対策基本法は、アルコールによる健康障害の予防、治療、回復支援など、アルコール関連問題対策を総合的に推進するための基本理念や方針を定める法律です。正しくは:「アルコール健康障害対策基本法アルコール関連問題全般に対する総合的な対策の推進」選びやすい理由:アルコールに関する法律であるため、飲酒禁止もその一部と誤解しやすい。混同注意:アルコール健康障害対策基本法と未成年者飲酒禁止法との混同。
- 4. 正解。「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」、通称「障害者虐待防止法」は、その名の通り、障害者への虐待を防止し、虐待を受けた障害者を保護・支援することを目的としています。具体的には、虐待の早期発見、市町村への通報義務、養護者への相談・助言・支援などが規定されており、この選択肢は法律の主要な内容を正確に述べています。
国試ポイント
看護師国家試験では、主要な法律の正式名称、通称、そしてその法律が対象とする人や事柄、主な目的や内容について正確な知識が求められます。特に、類似した名称や対象を持つ法律(例:児童福祉法と母子保健法、アルコール関連法など)との違いを明確に理解しているかが問われます。単に法律名を知っているだけでなく、「何のために、どのようなことを規定しているのか」を具体的に覚えることが重要です。
混同注意
1. 児童福祉法と医療的ケア児支援法: 児童福祉法は全ての児童の福祉を網羅しますが、医療的ケア児への具体的な支援(特に学校での看護師配置など)は医療的ケア児支援法に特化されています。2. 母子保健法と児童福祉法: 母子保健法は母子(妊産婦・乳幼児)の健康保持・増進が主な目的であり、助産施設の入所措置のような経済的支援を伴う福祉サービスは児童福祉法が担当します。3. アルコール健康障害対策基本法と未成年者飲酒禁止法: アルコール健康障害対策基本法はアルコール問題全般の総合的な対策の「基本」を定めるものであり、個別の飲酒規制(未成年者飲酒禁止)は別の法律で規定されます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、各法律の「目的条項」をしっかり確認することが重要です。法律の目的は、その法律が「何を対象に、何を目指して、どのようなことを規定しているか」を端的に示しています。また、関連する複数の法律がある場合(例:障害者関連法、母子・児童関連法)、それぞれの法律がどのような役割分担をしているのかを理解しておく必要があります。
関連知識
・児童福祉法: 18歳未満の児童を対象に、健全な育成を保障するための総合的な福祉サービスを規定。乳児院、児童養護施設、障害児入所施設などの設置運営基準や、里親制度、助産施設入所措置なども含む。・母子保健法: 妊娠・出産から乳幼児期にかけての母子の健康保持・増進を目的とし、妊産婦・乳幼児健診、保健指導、訪問指導、養育医療などの事業を規定。・医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法): 医療的ケアを必要とする児童及びその家族に対し、切れ目のない支援を提供することを目的とした法律。保育所、幼稚園、学校などでの医療的ケアの実施や看護師配置について定める。・アルコール健康障害対策基本法: アルコールによる健康障害対策に関する基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務、国民の役割等を明らかにすることで、対策を総合的に推進することを目的とする。・二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律(未成年者飲酒禁止法): 20歳未満の飲酒を禁止し、その罰則を定める法律。・障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律): 障害福祉サービスや補装具の支給、地域生活支援事業などを規定する、障害者支援の中心となる法律。・精神保健福祉法(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律): 精神障害者の医療、保護、社会復帰の促進、自立と社会参加の支援などを規定。