包帯法で前腕部を固定した場合の観察項目で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
包帯やギプスによる固定は、締め付けによって固定部位より遠位の末梢循環や神経に障害を及ぼす可能性があります。そのため、固定後は末梢の血流状態を評価する観察が不可欠です。指先の冷感は、血流不足(虚血)を示す重要な徴候であり、早期に発見して対処することで組織障害などの重篤な合併症を防ぐことができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 包帯固定後の末梢循環障害や神経障害を直接評価する項目としては不適切です。悪寒は発熱や感染症など、全身的な体調不良に関連することが多い症状です。正しくは:包帯固定直後の観察として直接関連は薄いです。選びやすい理由:患者さんの全身状態を把握することも看護師の役割ですが、この質問では『包帯固定による影響』に特化した観察項目が求められています。混同注意:全身の不調を示すサインと、局所の合併症のサインを混同する可能性があります。
- 2. 正解。包帯で前腕を固定すると、締め付けによって固定部位より遠位(末梢)の血流が阻害される可能性があります。指先の冷感は、末梢循環障害(血流不足)を示す重要な兆候であり、虚血による組織損傷を防ぐために早期発見が非常に重要です。
- 3. 包帯固定後の局所的な合併症(循環障害、神経障害など)を直接的に評価する項目ではありません。全身倦怠感は、疲労や他の疾患など、様々な要因で生じる一般的な症状です。正しくは:包帯固定直後の観察として直接関連は薄いです。選びやすい理由:患者さんの全身状態の把握は重要ですが、包帯固定による局所の合併症に特化した観察項目ではありません。混同注意:患者さんの全身的な不快感と、固定による具体的な合併症を評価する項目を混同する可能性があります。
- 4. 前腕部の包帯固定の観察項目としては、固定部位より遠位の末梢循環(指先など)を観察することが重要です。上腕動脈は包帯固定部位よりも近位にあるため、通常、その触知が直接的な影響を受けることは少なく、末梢循環障害の早期発見にはつながりにくいです。末梢循環障害の早期発見には、固定部位より末梢(遠位)の動脈(例:橈骨動脈、尺骨動脈)や皮膚の色・温度・知覚などを確認します。正しくは:末梢循環の観察として適切なのは、「橈骨動脈の触知の有無」など、固定部位よりも遠位の動脈の触知です。選びやすい理由:動脈の触知は循環評価に非常に重要であるため、正しい選択肢だと誤解しやすいです。しかし、観察部位の適切さが問われています。混同注意:循環評価全般の知識と、固定部位に応じた適切な観察部位の知識を混同する可能性があります。特に「末梢」がどこを指すのかの理解不足が原因となります。
国試ポイント
看護師として、包帯固定やギプス固定などの処置後に起こりうる合併症(特に末梢循環障害や神経障害)を早期に発見するための観察項目に関する知識が問われています。固定部位よりも遠位の末梢部分の観察が重要であるという理解が鍵となります。
混同注意
全身的な不調の訴えと、固定による局所の具体的な合併症の徴候を混同しやすいです。また、固定部位よりも近位の循環(例:上腕動脈)と、固定による影響が出やすい遠位の末梢循環(例:指先、橈骨動脈)の評価の重要性を混同する可能性があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、固定部位と観察すべき末梢部位の関係性を正確に把握すること、そして末梢循環障害だけでなく、末梢神経障害の兆候(しびれ、知覚異常、運動麻痺)にも注意を払うことが重要になります。与えられた選択肢が「適切な」観察項目であるかを、具体的な症状や身体所見と照らし合わせて判断する力が求められます。
関連知識
ギプス固定後の5P(Pain:痛み、Pallor:蒼白、Pulselessness:脈拍触知不能、Paresthesia:しびれ、Paralysis:麻痺)または6P(これにPoikilothermia/coldness:冷感を加える)といった末梢循環・神経障害の兆候の観察。圧迫による神経障害の兆候(しびれ、知覚鈍麻、運動麻痺)や、包帯固定の目的と適切な巻き方(循環阻害を防ぐ、適切な圧迫など)も関連知識です。