右腕に点滴静脈内注射をしている成人患者の寝衣(パジャマ)の交換について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
点滴中の患者の寝衣交換では、点滴ルートの抜去や損傷、または患者の苦痛を避けることが最も重要です。脱がせる際は健側(点滴をしていない側)から、着せる際は患側(点滴をしている側)から行うのが原則です。清潔な寝衣を患側から着せる際、点滴ボトルとルートを先に袖に通すことで、スムーズに寝衣を着せることができ、ルートの絡まりや引っ張りによる抜去・損傷のリスクを防ぎ、患者の安全と安楽を確保できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 点滴をしている腕(患側)から先に寝衣を脱がすと、点滴ルートが引っ張られたり、抜けてしまったりするリスクが高まります。患者への負担も増大します。正しくは:寝衣は、点滴をしていない左腕(健側)から先に脱がせます。選びやすい理由:一見、点滴側の腕を先に動かせば点滴ルートを傷つけずに済むように思えるかもしれませんが、これは誤りです。健康な側から動かすことで、点滴側の負担を最小限に抑えられます。混同注意:「健側から脱がせ、患側から着せる」という基本原則と逆の行動を取ることで、患者への負担を増やしてしまいます。
- 2. 点滴ボトルをベッド上に置くと、点滴液が流れなくなったり、血液が点滴ルートに逆流したりする危険性があります。点滴ボトルは常に点滴部位より高い位置に保持する必要があります。正しくは:右袖を脱がせる間も、点滴ボトルは点滴スタンドに掛けたまま、または看護師が点滴部位より高い位置に保持します。選びやすい理由:一時的な処置だからと、手軽な場所としてベッド上を考えてしまうかもしれませんが、点滴の原則(高低差による自然落下)を無視することになります。混同注意:点滴の一時的な中断と混同しやすいですが、一時中断も指示なく行うべきではありません。点滴ルートの高低差の原則を忘れている場合に見られる誤りです。
- 3. 新しい寝衣を健側(点滴をしていない側)から着せると、最後に患側(点滴をしている側)を通す際に、点滴ルートを大きく動かす必要が生じ、患者に負担がかかる可能性があります。正しくは:新しい寝衣は、点滴をしている右腕(患側)から先に通します。選びやすい理由:脱がせる時と同じように「健側から」というルールを適用しようとしてしまうかもしれませんが、着せる時は逆の原則が適用されます。混同注意:「健側から脱がせ、患側から着せる」という原則の「着せる」部分を混同しています。
- 4. 正解。点滴をしている腕に寝衣を着せる際、先に点滴ボトルとルートを袖に通すことで、ルートが絡まるのを防ぎ、点滴の接続部への負担を最小限に抑えられます。これにより、点滴の安全性を保ちつつ、スムーズに寝衣を着せることができます。
国試ポイント
患者の安全と安楽を確保しながら、点滴中の患者の寝衣交換を適切に行う知識が問われます。特に、点滴ルートの損傷や抜去を防ぐための手順の理解が重要です。
混同注意
「健側から脱がせ、患側から着せる」という基本原則の適用を間違えやすいです。また、点滴の原則(ボトルは点滴部位より高く保つ)を忘れると誤答につながります。
次に同じ論点が出たら
同様の状況で、体位変換や清拭、移動などの介助について問われる可能性があります。常に「点滴ルートへの影響」「患者の安楽」「看護師の実施しやすさ」の3つの視点から判断することが重要です。
関連知識
点滴静脈内注射の管理(ルートの固定、滴下速度の確認、合併症の観察)、体位変換時の介助、患者の安全・安楽を考慮した援助全般