静脈採血で針を刺入した直後に、患者にしびれがないかを確認する目的はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
静脈採血時に患者が「しびれ」を訴える場合、それは針が末梢神経に接触したり、損傷を与えたりしている可能性を示唆します。神経は非常にデリケートな組織であり、損傷すると持続的な痛みや感覚障害を引き起こすことがあります。そのため、穿刺直後にしびれがないかを確認することは、神経損傷を早期に発見し、針の位置を修正するなどの対応を速やかに行うことで、神経損傷がさらに進行するのを防ぐ上で極めて重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 「しびれ」は、通常、感染症の直接的な初期症状ではありません。感染症の予防は、採血前の手指衛生、皮膚消毒、滅菌器具の使用など、清潔な操作で行われるものです。正しくは:感染症の予防は、皮膚の適切な消毒、手洗い、ディスポーザブル器材の使用などによって行われます。選びやすい理由:採血は体内に針を刺す医療行為であるため、感染症のリスクは常に考慮すべき重要な点です。しかし、「しびれ」の確認とは直接結びつきません。混同注意:感染症の初期症状として発熱や局所の発赤・腫脹などがありますが、しびれとは異なります。
- 2. 正解。採血時に針が神経に触れたり、神経を傷つけたりすると、患者さんは「しびれ」や鋭い痛みを感じることがあります。このしびれを早期に確認することで、神経損傷の可能性を判断し、針の位置を修正するなどして、それ以上の神経損傷の悪化を防ぐことができます。
- 3. 皮下血腫は、血管から血液が漏れ出して皮下にたまることで生じます。主な症状は腫れや内出血(青あざ)であり、「しびれ」とは直接関連しません。皮下血腫の予防は、適切な穿刺部位の選択や、穿刺後の確実な圧迫止血によって行われます。正しくは:皮下血腫の予防は、適切な穿刺部位の選択、針の刺入角度の調整、穿刺後の確実な圧迫止血などによって行われます。選びやすい理由:皮下血腫も採血時に起こりやすい合併症の一つであり、患者の不快感につながるため、選択肢として頭に浮かびやすいです。混同注意:しびれは神経症状ですが、皮下血腫は血管系の合併症です。局所の痛みは共通して起こり得ますが、しびれは神経の刺激を示唆します。
- 4. 血管迷走神経反射(迷走神経反射)は、痛みや不安、採血への恐怖心などが原因で起こり、めまい、吐き気、冷や汗、血圧低下、徐脈、失神などの症状を呈します。「しびれ」は血管迷走神経反射の直接的な前兆症状としては一般的ではありません。正しくは:血管迷走神経反射の予防は、採血前に患者の不安を軽減するための声かけ、臥位での採血の検討、気分不快時の早期対応などによって行われます。選びやすい理由:血管迷走神経反射も採血中に起こり得る重要な合併症であり、患者の安全管理上、常に注意すべき点です。混同注意:しびれと、血管迷走神経反射の前兆(めまい、吐き気など)を混同することがあるかもしれませんが、両者は異なる症状です。ただし、過換気症候群に伴うしびれ(テタニー)は鑑別が必要です。
国試ポイント
静脈採血の適切な手技と、起こりうる合併症(特に神経損傷、皮下血腫、感染、血管迷走神経反射)に関する知識が問われています。それぞれの合併症の症状、原因、予防策、および発生時の対応について、正確に理解していることが求められます。特に「しびれ」という具体的な症状から、その原因となる合併症を特定する思考力が重要です。
混同注意
「しびれ」は神経症状であるため、単なる穿刺による痛みや、血管迷走神経反射の前兆症状と混同しやすいことがあります。しかし、しびれは神経の刺激や損傷を示唆する特異的な症状であり、注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
採血時に患者が何らかの異常を訴えた際、その症状がどの合併症に関連しているかを迅速に判断し、適切な対応を指示できるか、あるいは自ら実践できるか。例えば、しびれを訴えた場合は、すぐに針を抜去すべきか、位置を修正すべきか、痛みを訴えた場合は迷走神経反射の兆候はないか、などを判断する能力。
関連知識
静脈採血の手順(駆血帯の巻き方、穿刺部位の選定、皮膚消毒、穿刺角度)、採血量と検体の取り扱い、採血後の圧迫止血、各合併症(神経損傷、皮下血腫、感染、血管迷走神経反射)の具体的な症状と看護ケア、採血事故発生時の対応プロトコル。