腹部の打診で観察するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
腹部の打診は、主に腸管内のガス貯留量(鼓音)や、肝臓、脾臓、または腹水などによる実質臓器や液体貯留の有無(濁音、扁平音)を確認するために行われます。選択肢の中で、打診によって直接的に観察されるのは「鼓音」です。反跳痛や筋性防御は腹膜刺激症状であり触診で、腫瘤の硬さも触診で評価されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。腹部の打診は、腸管内のガス(空気)の有無や量を確認するために行われます。ガスが多い部位では、空洞を打つような「鼓音」が聴取されます。これは打診で直接得られる主要な所見です。
- 2. 反跳痛は、腹膜刺激症状の一つであり、腹部をゆっくり圧迫し、急に圧迫を解除した際に感じる痛みです。これは触診(圧痛の確認)によって評価される所見であり、打診では確認できません。正しくは:これは腹部の触診で確認される所見です。選びやすい理由:腹痛の評価において非常に重要な所見であるため、腹部診察の一環として混同されやすいです。混同注意:打診による叩打痛や、圧迫時に感じる圧痛。
- 3. 筋性防御は、腹膜刺激症状の一つで、腹壁の筋肉が不随意に硬直する状態を指します。これは視診や触診によって確認される所見であり、打診で評価するものではありません。正しくは:これは腹部の視診や触診で確認される所見です。選びやすい理由:これも腹痛時の重要な身体所見であるため、腹部診察で確認するものとして誤解されやすいです。混同注意:腹部の打診で得られる音の変化や、圧迫した際の抵抗感。
- 4. 腹部に存在する腫瘤の硬さや性状は、直接触れて確認する触診(触知)によって評価されます。打診では腫瘤の存在を示唆する音の変化(例:濁音)は得られますが、硬さそのものを直接確認する手技ではありません。正しくは:これは腹部の触診で確認される所見です。選びやすい理由:腹部診察で腫瘤の評価は重要であるため、腫瘤に関する所見であれば何でも腹部診察全般で確認できると考えてしまう可能性があります。混同注意:腫瘤の大きさや位置(これは打診でも示唆されることがある)や、腫瘤周囲の圧痛。
国試ポイント
身体診察の各手技(視診、聴診、打診、触診)でそれぞれどのような所見が得られるか、またその臨床的意義を正確に理解しているかが問われる基本的な問題です。特に腹部診察は確認すべき所見が多岐にわたるため、各手技と対応する所見を混同しないことが重要です。
混同注意
腹部の打診、触診、聴診でそれぞれ確認される所見(例:打診音の種類、腸蠕動音、圧痛、反跳痛、筋性防御、肝脾腫の触知)が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の身体診察の部位(例:胸部)や、他の手技(例:聴診、触診)で得られる所見について、正確に判断できるかどうかが問われる可能性があります。また、特定の疾患に特徴的な身体所見を関連付けて問われることも考えられます。
関連知識
腹部診察の順序(視診→聴診→打診→触診)とその理由。各手技で得られる具体的な所見(例:鼓音、濁音、金属音、腸蠕動音、圧痛、反跳痛、筋性防御、腫瘤の触知)と、それらが示唆する疾患(例:イレウス、腹膜炎、腹水、肝脾腫)。