尿比重が低くなるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
尿崩症は抗利尿ホルモン(ADH)の作用不足により、腎臓での水再吸収が十分に行われず、多量の希薄な尿が排泄される病態です。このため、尿中の溶質濃度が極めて低くなり、尿比重が著しく低下します。他の選択肢の病態では、腎臓が水分を保持しようとする(水欠乏性脱水)か、尿中に浸透圧物質(ブドウ糖、タンパク質など)が多く含まれる(糖尿病、ネフローゼ症候群)ため、尿は濃縮され尿比重は高くなる傾向にあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 糖尿病では高血糖により尿中にブドウ糖が多く排泄され、浸透圧利尿を引き起こすため、尿量が増加しますが、尿中の溶質濃度も高まるため、尿比重は高くなる傾向にあります。正しくは:糖尿病では尿比重は高くなる傾向があります。選びやすい理由:尿量が増えるため、比重が低くなるように錯覚するかもしれませんが、尿中に含まれるブドウ糖などの溶質が多いことを忘れてはなりません。混同注意:尿量増加と尿比重低下を混同しやすいです。尿量が増えても、浸透圧物質が増加していれば比重は上がります。
- 2. 正解。尿崩症は、抗利尿ホルモン(ADH)の分泌不全またはADHに対する腎臓の反応性の低下により、腎臓での水の再吸収が障害され、多量の希釈尿が排泄される病気です。そのため、尿中の溶質濃度が低く、尿比重は著しく低下します。
- 3. 水欠乏性脱水では、体内の水分量が減少するため、腎臓は水を保持しようとします。その結果、尿は濃縮され、尿中の溶質濃度が高まるため、尿比重は高くなります。正しくは:水欠乏性脱水では尿比重は高くなります。選びやすい理由:脱水なので体液量が減少し、何となく比重が低くなるような印象を受けるかもしれませんが、腎臓の代償作用を考慮する必要があります。混同注意:体液量減少と尿比重低下を混同しやすいですが、腎臓は水を温存するために尿を濃縮します。
- 4. ネフローゼ症候群では、大量のタンパク尿が特徴ですが、尿中の溶質濃度が高まることや、しばしば腎機能低下を伴い、尿は濃縮される傾向にあるため、尿比重は高くなることがあります。ただし、病態によって変動することもあります。正しくは:ネフローゼ症候群では尿比重は高くなる傾向があります。選びやすい理由:タンパク質が尿中に出ることで、比重が高くなるという直感的な理解が難しいかもしれません。混同注意:尿中成分の変化と尿比重の関係を混同しやすいです。タンパク質は分子量が大きいので比重に影響します。
国試ポイント
尿比重の変動とその原因となる主要な疾患・病態を結びつけられるかを問う問題です。特に、尿崩症、糖尿病、脱水時の尿比重の特徴を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
多尿と尿比重の低下を単純に結びつけると誤答しやすいため注意が必要です。例えば糖尿病では多尿ですが、尿比重は高くなります。また、脱水時に尿量が減少しても、尿比重は高くなります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず「尿比重が低くなるのか高くなるのか」の方向性を判断し、その原因が「水の再吸収障害」か「尿中溶質の増加」かを正確に区別できるかを確認します。
関連知識
尿比重の基準値は一般的に1.010〜1.030程度です。腎不全末期では尿濃縮力が失われ、尿比重が1.010前後に固定されることがあります(等張尿)。ADHの作用メカニズムや、腎臓における水・溶質の再吸収について理解しておくことが重要です。