誤嚥のリスクがある患者の食事援助で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
誤嚥予防の基本は、食塊をスムーズに食道へ誘導し、気道への流入を防ぐことです。頸部前屈位(顎を引く姿勢)をとることで、気道が閉鎖しやすくなり、食道入口部が広がるため、安全な嚥下を促すことができます。これにより、食べ物が気管へ誤って入るのを防ぐ効果が期待されます。
選択肢ごとの解説
- 1. きざみ食は、水分が少なくパサつきやすいため、口腔内でまとまりにくく、口の中でばらけやすい特徴があります。これにより、誤って気管に入り込む(誤嚥する)リスクを高めることがあります。正しくは:嚥下機能が低下している患者さんには、ゼリー食やとろみ食など、まとまりやすく口の中でばらけない形態の食品を選ぶことが適切です。選びやすい理由:咀嚼が困難な場合に、きざみ食が食べやすいと誤解されがちですが、嚥下機能との関連では別のリスクがあります。混同注意:咀嚼困難者向けの食事形態と、誤嚥予防のための食事形態(嚥下食)を混同しやすいです。嚥下食は、口の中でまとまりやすく、粘膜への付着が少ないものが基本です。
- 2. 粘り気が強すぎる食品は、口腔や咽頭にまとわりつきやすく、残留物が増えることで、かえって窒息や誤嚥のリスクを高める可能性があります。適切な「とろみ」は嚥下を助けますが、「非常に強い粘り気」は避けるべきです。正しくは:適切なとろみのある食品を選ぶことが重要です。適度なとろみは食べ物をゆっくりと移動させ、嚥下のタイミングを合わせやすくしますが、強すぎると飲み込みにくくなります。選びやすい理由:とろみをつけることが誤嚥予防に有効であるため、粘り気が強いほど良いと誤解しやすい傾向があります。混同注意:嚥下を助ける「適切なとろみ」と、嚥下を阻害する「過剰な粘り気」を混同しやすいです。
- 3. 正解。頸部前屈位(顎を引いた姿勢)は、嚥下時に気道(喉頭蓋)が閉じやすくなり、食道への入口が広がるため、食べ物が誤って気管に入るのを防ぎ、誤嚥を効果的に予防する体位です。
- 4. 食後すぐに仰臥位になると、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなり(胃食道逆流)、逆流した胃内容物を誤嚥するリスクが高まります。正しくは:食後30分から1時間程度は、上半身を起こした状態を保つか、座位を維持することが推奨されます。これにより、胃内容物の逆流を防ぎ、誤嚥リスクを低減できます。選びやすい理由:食事後の休息として横になりたいと考える患者さんの要望に応えたい気持ちから、すぐに仰臥位にさせてしまう可能性もあります。混同注意:食後の安静と、誤嚥予防のための適切な食後体位の重要性を混同しやすいです。安静は必要ですが、体位が不適切だとリスクが増します。
国試ポイント
この問題は、誤嚥のリスクがある患者に対する食事介助の具体的な方法、特に安全な食事摂取のための体位の知識を問うものです。嚥下メカニズムとそれに伴う適切なケアに関する理解が求められます。
混同注意
嚥下障害のある患者への食事形態の選択(きざみ食と嚥下食の違い)、とろみの適切さ(強すぎると逆効果)、食後の体位(安静と誤嚥予防の関連)が混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に誤嚥関連の問題が出題されたら、体位だけでなく、食事形態の選択基準、一口量の調整、口腔ケアのタイミング、食事中の観察項目(むせ、声の変化など)、食後のケア(口腔ケア、体位)といった、より包括的な誤嚥予防策について問われる可能性があります。
関連知識
誤嚥予防には、食事前の口腔ケア、嚥下しやすい食事形態の選択、一口量の調整、食事中の声かけ、食後の口腔ケア、食後しばらくの座位保持など、多岐にわたるケアが含まれます。また、嚥下機能評価(水飲みテストなど)の知識も関連します。