医療者間のコミュニケーションのエラーを防ぐために適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
医療現場では、情報伝達の正確性が患者さんの安全に直結します。特に、医師からの指示や患者さんの状態に関する情報は、聞き間違いや誤解が許されません。復唱は、発信者が意図した情報と、受信者が受け取った情報が一致しているかを確認するための最も基本的かつ重要な手法です。これにより、伝達ミスを早期に発見し、医療事故を未然に防ぐことができます。他の選択肢は、いずれも医療事故のリスクを高める不適切な行為です。
選択肢ごとの解説
- 1. 薬剤の単位を省略することは、誤解や誤薬のリスクを著しく高めます。特に、類似した表記の薬剤も多いため、正確な情報伝達には単位の明確な表記が不可欠です。正しくは:薬剤の単位は、誤解を避けるためにも必ず明確に記載し、省略しないようにします。選びやすい理由:迅速な情報伝達を優先するあまり、簡略化が良いと勘違いしたり、相手も専門職だから分かるだろうという過信から選びやすくなります。混同注意:スラングや慣習的な略語の使用と、医療安全上重要な正式な単位の省略とを混同する可能性があります。
- 2. 薬剤の投与指示を口頭のみで行うことは、聞き間違いや指示の取り違えのリスクが非常に高く、医療事故の主要な原因の一つです。原則として、与薬指示は医師からの処方箋や指示書といった書面で行われるべきです。正しくは:薬剤の投与指示は、原則として書面(処方箋、指示書など)によって行い、緊急やむを得ない口頭指示の場合でも、必ず後で書面化し、他のスタッフと確認します。選びやすい理由:緊急時など、口頭指示が一時的に許容される状況があるため、それを一般化して捉えてしまうことがあります。混同注意:緊急時の例外的な口頭指示と、普段の定型業務における指示伝達方法の原則を混同する可能性があります。
- 3. 正解。情報の復唱と相互確認は、コミュニケーションエラーを防ぐための最も効果的で基本的な方法です。これにより、聞き間違い、思い込み、伝達漏れなどを未然に防ぎ、正確な情報共有を確実にします。医療安全の確保において極めて重要です。
- 4. 伝えられた情報に不明な点があるにもかかわらず質問を控えることは、誤解や誤った判断に繋がり、重大な医療事故を引き起こす可能性があります。不明な点は速やかに質問し、明確にする義務があります。正しくは:伝えられた情報に不明な点があれば、すぐに質問して明確にし、疑問が解消されるまで確認を徹底します。選びやすい理由:質問することで相手に負担をかけたくない、あるいは自分の無知をさらけ出したくないという心理が働き、質問を躊躇することがあります。混同注意:迅速な業務遂行と、不明点や疑問を解消することの重要性を混同し、安易に疑問を放置してしまうことがあります。
国試ポイント
医療安全におけるコミュニケーションの基本原則、特に情報伝達の正確性と確認の重要性について問う問題です。医療現場でのヒューマンエラー防止策として、復唱確認の有効性は頻繁に出題される重要なポイントです。
混同注意
迅速性を重視するあまり、情報伝達の簡略化や確認作業の省略が許されると考えてしまう点が混同しやすいポイントです。また、専門職間のコミュニケーションでは暗黙の了解があると思い込みがちですが、医療安全においては明確な確認が不可欠です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、『情報伝達の正確性を高めるための具体的な行動は何か』『リスクを減らすための確認方法は何か』という視点で選択肢を検討します。特に『復唱』『書面化』『情報共有』『質問による明確化』といったキーワードに注目しましょう。また、医療安全における禁忌事項(例:口頭指示の原則化、単位の省略)も同時に押さえることが重要です。
関連知識
医療事故防止のための「ヒヤリ・ハット事例報告制度」、「KYT(危険予知トレーニング)」、チーム医療における「SBAR(状況-背景-評価-提案)コミュニケーション」、インフォームド・コンセント、多職種連携(ICT/NST等)など、医療安全に関する幅広い知識が関連します。