Aちゃん(1歳9か月)は両親と保育所に通う姉のBちゃん(3歳)と4人で暮らしている。Aちゃんは重症の仮死で出生し、脳性麻痺と診断されている。食事、排泄、更衣は全介助である。食事はきざみ食を摂取しており、浣腸によって2日に1回排便がある。Aちゃんは全身の筋緊張が強く、肘関節と手関節は屈曲し、両下肢が交差し伸展する姿勢が多い。声かけやタッチングで笑顔がみられるが、発語はない。Aちゃんは月2回の外来受診をしており、受診の際に母親が看護師に「Aは食欲がありますが、時々むせてしまいます。日中は機嫌よく過ごすことが多いのですが、手足を突っ張らせて背を反り返ることがあり、夜眠らないことが時々あります」と話している。 Aちゃんへの支援で優先度が高いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Aちゃんは摂食嚥下機能が未熟なため、固形物での窒息のリスクが高い状態です。食事の形態を変更し、ペースト食やとろみ食にすることで、誤嚥や窒息の予防に繋がり、安全な栄養摂取を確保することが最も優先されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 感染対策の見直しは重要ですが、食事形態の変更による窒息予防は、生命に直結するため優先度がより高いです。感染対策は継続的な取り組みとして行われます。正しくは:適切な感染対策を継続的に実施する。手洗いや環境整備の徹底。選びやすい理由:小児は免疫力が未熟なため、感染症にかかりやすいという認識から重要だと感じやすい。混同注意:全身管理における広範なケアと、生命維持に直結する緊急性の高いケアの優先順位。
- 2. 正解。Aちゃんは摂食嚥下機能が未熟であるため、固形物による窒息や誤嚥のリスクが非常に高いです。食事の形態を適切に変更することは、これらのリスクを軽減し、安全な栄養摂取を確保するために最も優先されます。選びやすい理由:(正答のため該当せず)混同注意:(正答のため該当せず)
- 3. 排便のコントロールは小児のQOLにとって重要ですが、窒息や誤嚥のリスクを伴う摂食嚥下機能の問題と比較すると、生命維持における優先度は低いです。正しくは:適切な排便習慣の確立や、必要に応じて下剤の使用、便秘予防の指導などを行う。選びやすい理由:便秘や下痢は小児によく見られる問題であり、快適な生活を送る上で重要だと考えやすい。混同注意:生命の危険を伴う緊急性の高い介入と、QOL向上を目的とした介入の優先順位。
- 4. 睡眠パターンのコントロールは、小児の発育発達にとって重要ですが、窒息や誤嚥のリスクを伴う摂食嚥下機能の問題と比較すると、生命維持における優先度は低いです。正しくは:快適な睡眠環境の整備や、規則正しい生活リズムの確立を促す。選びやすい理由:小児の発育には十分な睡眠が必要であるという認識から重要だと感じやすい。混同注意:生命の危険を伴う緊急性の高い介入と、成長発達を促すための介入の優先順位。
国試ポイント
小児の摂食嚥下機能の発達段階に応じた食事の形態の調整と、それに伴う誤嚥・窒息予防の重要性。
混同注意
摂食嚥下機能が未熟な場合の食事形態の調整と、それ以外の一般的な感染対策や排泄、睡眠のケア。摂食嚥下機能は生命維持に直結するため、優先度が高いことを理解する。
次に同じ論点が出たら
同様の症例では、まず生命維持に直結する呼吸、循環、そして栄養摂取に関わる摂食嚥下機能の状態とそれに伴うリスクに着目し、最も緊急性の高い介入を選択する。
関連知識
離乳食の進め方、誤嚥性肺炎の予防、窒息時の対応、嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)による評価。食物アレルギーの対応も関連知識。