Aさん(33歳、初妊婦、会社員)は夫と2人で暮らしている。身長160 cm、非妊時体重60 kg。妊娠17週1日の妊婦健康診査にて、児の発育に異常はなかった。体重は66 kgで4週前から4 kg増加している。血圧120/78 mmHg。尿蛋白(-)、浮腫(-)。排便は妊娠前と変わらず2日に1回出ている。Aさんは「同じ週数の友達は胎動を感じると言っていたのに、自分は感じられず心配です」と話す。 妊娠22週2日。妊婦健康診査で母児ともに経過は順調であった。Aさんは夫の立ち合い分娩を希望しており「産後は夫も育児休業を取得する予定です。最近この地域に引っ越してきたばかりで、今のうちに妊娠週数が同じくらいのお母さんと仲良くなって色々と情報交換したいです」と話す。このときのAさんへの支援で最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
妊娠22週は妊娠中期であり、出産や育児に向けた準備を始める適切な時期です。両親学級は、出産や育児に関する知識提供だけでなく、夫婦で共に学ぶ機会、他の妊婦や家族との交流の場を提供するため、Aさんの「夫と育児準備を進めたい」「地域で情報交換したい」という複数のニーズに最も包括的に応えることができる支援です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。妊娠22週は妊娠中期にあたり、出産や育児に向けて夫婦で準備を始めるのに適した時期です。両親学級は、出産に関する知識や心構えを夫婦で学ぶ機会を提供し、立ち合い分娩や夫の育児休業への具体的な準備を促します。また、他の妊婦やその家族との交流の場ともなるため、Aさんの「同じくらいの妊娠週数のお母さんと情報交換したい」というニーズにも応えられます。
- 2. バースプランは、分娩に対する具体的な希望をまとめるもので、通常は分娩が近づく妊娠後期(約30週以降)に、具体的なイメージが持てるようになってから検討することが推奨されます。妊娠22週の時点では、まだ時期尚早であり、具体的にイメージしにくい段階です。正しくは:「分娩が近づいてきたら、バースプランの作成について一緒に考えましょう」と伝える。選びやすい理由:立ち合い分娩を希望しているため、具体的な分娩計画を進めるべきだと感じやすいですが、計画を立てる具体的な時期を考慮する必要があります。混同注意:出産に対する具体的な希望があることと、その計画を立てるのに適切な時期の関連性について。
- 3. 産後ケアに関する情報提供も重要ですが、妊娠22週の段階では、まず出産までの準備や妊娠中の心身の変化への対応に焦点を当てる方が優先されます。具体的な産後ケアの検討や利用情報の収集は、もう少し週数が進んで出産が近づいてからでも十分間に合います。正しくは:「出産後に利用できる産後ケアサービスについては、出産が近づいた段階で詳しく情報提供します」と伝える。選びやすい理由:夫が育児休業を取得する予定であり、産後を見据えた発言があるため、産後の情報提供も重要だと感じやすいですが、優先順位が異なります。混同注意:夫の育児休業取得予定から「産後」のニーズを強く捉えてしまうことと、現在の「妊娠中」に最も焦点を当てるべき支援の区別。
- 4. 夫が妊婦健康診査に同席することは、夫婦で妊娠経過を共有する良い機会ですが、Aさんの「情報交換したい」というニーズや、出産・育児に関する知識習得・準備のニーズに直接的に応える支援としては、両親学級の方がより包括的かつ適切です。夫の同席はあくまで個別のサポートの一環であり、最も優先されるべき支援とは言えません。正しくは:「夫が健診に同席することで、夫婦で赤ちゃんの成長を確認し、共に妊娠を実感できる機会にもなりますよ」とメリットを伝える。選びやすい理由:夫が育児に積極的であり、立ち合い分娩を希望していることから、夫婦で健診に参加することは良い支援だと感じやすいですが、Aさんの主要なニーズ全てには応えられません。混同注意:個別的なサポートと、集団を通して多面的なニーズに応える支援の効果の違い。
国試ポイント
この問題では、妊娠週数に応じた適切な看護支援、特に妊婦の心理社会的側面や家族の育児参加への意欲を汲み取った支援が問われています。妊婦の具体的な言葉や状況(地域に引っ越してきたばかり、夫の育児休業予定など)から、潜在的なニーズ(社会との繋がり、情報交換、夫婦での準備)を読み解く力が求められます。
混同注意
各選択肢が「良い支援」であると感じられるため、その中で「最も適切」なものを選ぶ判断が難しいことがあります。特に、支援のタイミング(妊娠時期)と、妊婦の複数のニーズにどれだけ包括的に応えられるかを基準に考える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合は、まず設問中の『妊娠週数』を確認し、その時期に提供されるべき支援を絞り込みます。次に、妊婦の具体的な発言や状況から『抱えているニーズ』を複数読み取り、その複数のニーズに最も包括的に、かつ時期的に適切に応えられる選択肢を優先して選びましょう。
関連知識
妊娠期の各週数における身体的・精神的変化と推奨されるケア、両親学級の目的と内容、バースプランの意義と作成時期、産後ケアの役割、地域における子育て支援サービスの種類。