仕事上のストレスに対して、ラザルスが提唱した情動焦点型のストレスコーピングはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ラザルスとフォークマンのストレスコーピング理論における情動焦点型コーピングは、ストレスによって引き起こされる不快な感情(怒り、不安、悲しみなど)を軽減したり、解消したりすることに焦点を当てた対処行動です。ストレスの原因そのものを解決するのではなく、自身の感情状態を管理することを目的とします。選択肢1の「好きな漫画を読む」は、気分転換を図り、感情的な負担を和らげる行動であるため、情動焦点型コーピングに該当します。他の選択肢は、ストレスの原因となっている問題自体に働きかけて解決を図ろうとする問題焦点型コーピングです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。漫画を読むことは、ストレスによって生じた不快な感情(イライラ、疲労感など)から一時的に意識をそらし、気分転換を図る行動です。これはストレスの原因そのものを解決するのではなく、感情的な苦痛を和らげることを目的とした情動焦点型コーピングに当たります。
- 2. 仕事に役立つ本で学習することは、自身のスキルアップを通じて仕事の問題を解決しようとする行動であり、ストレスの原因そのものに働きかける問題焦点型コーピングに分類されます。正しくは:不快な感情を和らげる活動(例:気分転換になる趣味に没頭する、リラックスできる音楽を聴く)。選びやすい理由:仕事のストレスを軽減しようとする意図は含まれるため、広義のストレス対処と捉えやすいです。混同注意:情動焦点型コーピングと問題焦点型コーピングの区別が曖昧だと誤解しやすいです。
- 3. 休日出勤して仕事を終わらせることは、目の前にある仕事量というストレスの原因を直接的に解決しようとする行動であり、問題焦点型コーピングに該当します。正しくは:不快な感情を和らげる活動(例:友人と食事に行って愚痴をこぼす、好きなスポーツで汗を流す)。選びやすい理由:仕事を片付けることで、一時的に安心感を得られるため、感情的な解決と誤解されやすいです。混同注意:短期的な感情の軽減と、問題解決のための行動の区別がつきにくい場合に混同しやすいです。
- 4. 同僚とプレゼンテーションの練習をすることは、プレゼンテーションという課題をうまく乗り切るための準備行動であり、ストレスの原因(プレゼンテーションへの不安など)に直接的に対処しようとする問題焦点型コーピングです。正しくは:不快な感情を和らげる活動(例:信頼できる人に悩みを相談する、瞑想をする)。選びやすい理由:同僚との交流が含まれるため、心理的な支えや感情的なサポートと捉えそうになるかもしれないが、本質はタスク解決です。混同注意:社会的サポートとしての側面と、タスク解決のための協働という側面を混同しやすいです。
国試ポイント
ラザルスとフォークマンが提唱したストレスコーピングの二分類(問題焦点型と情動焦点型)を正しく理解し、具体的な事例からどちらに分類されるかを判断できるかが問われます。特に、情動焦点型コーピングは感情の調整や気分転換、休息、気分発散、感情表出など、感情面への働きかけを指すことを理解しておく必要があります。
混同注意
「気分転換」と「問題解決のための休息」の違い。「気分転換」は情動焦点型ですが、「問題解決のための休息」(例:頭をクリアにして仕事に戻るために休む)は問題焦点型に分類されることもあり、状況設定によって判断が必要です。また、社会的サポートを受ける行為が、単に愚痴を聞いてもらい感情を発散するか(情動焦点型)、アドバイスを得て具体的な問題解決に繋げるか(問題焦点型)によって分類が変わる点も混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出題された場合、まず提示された行動が「ストレスの原因そのものに働きかけているか」それとも「ストレスによって生じた不快な感情に働きかけているか」を見極めることが重要です。特に、行動の目的が何かを明確にすることが分類の鍵となります。
関連知識
ラザルスとフォークマンのストレスコーピング理論の詳細。問題焦点型コーピングの具体例(情報収集、計画立案、直接行動、社会的サポートの利用(問題解決目的)など)。情動焦点型コーピングの具体例(気晴らし、感情表出、ポジティブな再評価、自己受容、社会的サポートの利用(感情的支え目的)など)。ストレス反応(身体的、心理的、行動的)。ストレスマネジメントの他の理論や技法(リラクゼーション、アサーションなど)。