チーム医療におけるタイムアウトの説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
タイムアウトは、手術や中心静脈カテーテル挿入といった侵襲性の高い処置の前に、処置に関わるすべての医療従事者が作業を中断し、一堂に会して共通の認識を確認するための重要な安全管理プロセスです。これにより、誤った部位や術式の実施を防ぎ、患者安全を確保します。
選択肢ごとの解説
- 1. タイムアウトは処置開始前、特に体位変換や切開などの重要なステップの直前に行われ、誤った部位や術式の防止、およびチーム全員での最終確認を目的とします。処置終了時ではありません。正しくは:処置の開始前や、重要なステップの直前に実施する。選びやすい理由:医療現場における確認作業は、処置の開始時と終了時の両方で重要であるため、終了時にも何らかの確認が行われると考えるかもしれません。混同注意:処置後の情報共有、記録作成、反省会など、終了時に行われる他の確認作業や振り返り活動と混同しやすいです。
- 2. 正解。タイムアウトは、手術や中心静脈カテーテル挿入など、侵襲性が高く患者へのリスクが大きい処置の開始前に実施されます。これは、誤った部位や術式の防止を特に強く求められる状況で、患者安全を確保するためです。
- 3. 正解。タイムアウトの重要な目的は、処置に関わる全ての医療従事者が一堂に会し、作業を中断して声に出して情報を確認することで、潜在的なミスを見つけ出し、チーム全体で情報を共有することにあります。各自が作業を続けながらでは、この目的は達成できません。
- 4. タイムアウトは、全員が一同に集まり、手を止めて共通の情報を声に出して確認することに意味があります。役割分担は普段のチーム医療の基本ですが、タイムアウトの実施方法ではありません。正しくは:チームの全員が同じ情報を同時に、声に出して確認する。選びやすい理由:チーム医療では効率的な作業分担が重要であるため、タイムアウトもその一環と誤解するかもしれません。混同注意:普段のチーム医療における役割分担や、他の確認事項を分担してチェックするプロセスと混同しやすいです。
- 5. タイムアウトの主要な対象は医療チーム内の情報共有と最終確認であり、患者との直接的なコミュニケーションを主目的とはしません。患者の同意確認や術前説明は、タイムアウトとは別のタイミングで十分に行われるべきプロセスです。正しくは:医療従事者間の情報共有と確認を最優先で行う。選びやすい理由:患者中心の医療においては、常に患者とのコミュニケーションが重要視されるため、タイムアウト時にも患者との対話が必要だと考えるかもしれません。混同注意:術前説明やインフォームド・コンセントなど、患者との直接的なコミュニケーションが求められる他の医療プロセスと混同しやすいです。
国試ポイント
チーム医療における医療安全の取り組みとして、特に『タイムアウト』の目的、実施タイミング、実施方法が頻繁に問われます。どの処置で、いつ、誰が、どのように行うか、その意義を正確に理解しているかが重要です。特にWHOのSafety Checklist(手術安全チェックリスト)に関連して出題されることが多いです。
混同注意
タイムアウトは、単なる申し送りや通常の情報共有、記録作業とは異なります。特に『全員が手を止めて集中して確認する』という特徴を他の確認作業と混同しないように注意が必要です。また、術前オリエンテーションやインフォームド・コンセントといった患者とのコミュニケーションプロセスとも区別が必要です。
次に同じ論点が出たら
タイムアウトの問題が出題されたら、『誰が(全員参加か)いつ(処置開始前か)何を(患者情報、部位、術式など)どのように(声に出して確認するか)』の4つの要素を特に注意して確認すると良いでしょう。また、具体的な処置名(手術、中心静脈カテーテル挿入など)が例示されている場合は、それが侵襲性の高い処置であるかを判断材料にします。
関連知識
WHO手術安全チェックリスト(サインイン、タイムアウト、サインアウト)、医療安全管理体制、ヒューマンエラー防止策、インシデント・アクシデントレポート、インフォームド・コンセント、倫理原則(無危害原則)。