回復期リハビリテーション病院の看護師がAさんに行う地域連携クリニカルパスの説明で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
地域連携クリニカルパスは、急性期から回復期、在宅への移行において、多職種・多機関間で患者さんの診療計画や状態を共有し、切れ目のない一貫したケアを提供するためのツールです。そのため、急性期病院からの情報引き継ぎは、そのパスの主要な機能であり目的と合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. 地域連携クリニカルパスは多職種・多機関で共通の目標に向かって計画を進めるためのツールであり、単に「提供する」という一方的な情報共有を指すものではありません。介護支援専門員は重要な連携相手ですが、この説明ではパスの全体像や多職種協働の性質が十分に伝わりません。正しくは:「地域連携クリニカルパスは、患者さんの治療やケアの計画を、退院後に連携する介護支援専門員をはじめとする多職種・多機関と共通認識として共有し、切れ目のない継続的なケアを提供するためのものです。」選びやすい理由:介護支援専門員が地域連携において重要な役割を担うことは事実であり、情報共有の対象であるため、一見正しい説明のように思えるからです。混同注意:地域連携における情報共有の目的と、クリニカルパスそのものの多職種・多機関協働の性質を混同しやすいです。
- 2. 正解。地域連携クリニカルパスの主要な目的の一つは、異なる医療機関間(特に急性期から回復期、あるいは回復期から在宅へ)で患者さんの情報、治療計画、目標などを共有し、切れ目のない一貫したケアを提供することです。急性期病院からの情報引き継ぎはその中心的な要素であり、最も適切な説明です。
- 3. 退院後の介護サービスは、患者さんご本人やご家族の意向を尊重し、ケアマネジャー(介護支援専門員)が中心となってケアプランを作成し、サービス事業者との調整を行います。医療ソーシャルワーカーは、そのプロセスを支援し、情報提供や相談に乗る役割を担いますが、サービスの内容を「決定する」権限はありません。正しくは:「退院後の介護サービスは、患者さんやご家族の意向に基づき、ケアマネジャーが中心となってケアプランを作成します。医療ソーシャルワーカーはその調整や相談を支援します。」選びやすい理由:医療ソーシャルワーカーが退院支援や社会資源の紹介に深く関わるため、彼らがサービス内容を決定すると誤解しやすいためです。混同注意:医療ソーシャルワーカーの役割と、ケアマネジャー、あるいは患者・家族の自己決定権を混同している可能性があります。
- 4. 個別の患者さんのリハビリテーションの内容や進捗を直接市町村に報告することは一般的ではありません。市町村は介護保険の運営主体ですが、個々の診療情報やリハビリ内容を直接管理する役割ではありません。情報共有は主にケアマネジャーや連携する医療機関・施設を通じて行われます。正しくは:「患者さんのリハビリテーション計画や進捗状況に関する情報は、主に退院後のケアマネジャーや、必要に応じて連携する医療・介護事業所と共有されます。市町村は介護保険の運営に関わりますが、個別のリハビリ内容の報告先ではありません。」選びやすい理由:市町村が地域医療や介護保険制度に関わるため、地域連携の相手だと認識しやすいからです。混同注意:地域連携の対象機関と、情報共有の具体的な経路・内容を混同している可能性があります。
国試ポイント
この問題は、地域連携クリニカルパスの基本的な目的と役割、およびそれに関わる多職種連携の知識を問うものです。特に、医療機関間の情報共有の重要性と、各職種(看護師、MSW、ケアマネジャー)の役割の区別がポイントとなります。
混同注意
地域連携の対象機関(介護支援専門員、医療ソーシャルワーカー、市町村)のそれぞれの役割と、地域連携クリニカルパスが持つ具体的な情報共有の機能・目的を混同しやすいです。特に、情報共有の「相手」と「内容」の正確な理解が求められます。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、地域連携クリニカルパスの具体的な運用方法(情報共有のプロセス、パスの記載項目)、期待される効果、関連する法規や制度、そして多職種がどのように協働して患者中心のケアを実現しているかといった具体的な事例に注目して学習すると良いでしょう。
関連知識
クリニカルパス、地域包括ケアシステム、退院支援、多職種連携、急性期・回復期・慢性期・在宅といった医療の連続性、各医療・介護職種の専門性と役割(看護師、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカー、介護支援専門員など)