長期臥床している患者の仰臥位時のポジショニングを図に示す。Aの位置にクッションを挿入する目的はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
長期臥床では足関節が底屈位になりやすく、足関節の可動域が制限されて尖足になるリスクがあります。Aの位置にクッションを挿入することで、足関節が自然な背屈位に保たれ、足底腱の短縮を防ぎ尖足の予防になります。
選択肢ごとの解説
- 1. Aの位置(足底)にクッションを挿入することは、主に足関節の肢位を保持することが目的であり、直接的な褥瘡予防策ではありません。踵部の褥瘡予防であれば、踵がベッドから浮くようにクッションを挿入します。正しくは:踵部の褥瘡予防であれば、踵がベッドから浮くように下腿にクッションを挿入する。選びやすい理由:ポジショニング全体が褥瘡予防と関連が深いため、つい選んでしまいがちです。しかし、クッションの挿入部位とその具体的な目的を区別する必要があります。混同注意:全身の褥瘡予防対策
- 2. 正解。仰臥位で長期臥床すると、足関節が重力により底屈位になりやすく、足関節の背屈制限が生じて尖足になります。Aの位置にクッションを挿入し足底を支えることで、足関節が中立位または軽度背屈位に保たれ、尖足の予防につながります。選びやすい理由:この選択肢は正しい。混同注意:他の関節拘縮の予防
- 3. 腓骨神経麻痺は、腓骨頭周囲への圧迫により生じることが多いです。図のAの位置にクッションを挿入することは足底を支えるものであり、腓骨頭への圧迫とは直接関係がないため、腓骨神経麻痺の予防にはなりません。正しくは:腓骨神経麻痺の予防には、側臥位時に膝関節下や腓骨頭周囲への圧迫を避けるようにクッションを使用する。選びやすい理由:神経麻痺も長期臥床でリスクのある合併症であるため、ポジショニングで予防できるのではないかと考えてしまいがちです。混同注意:正中神経麻痺、尺骨神経麻痺などの他の神経麻痺
- 4. 深部静脈血栓症は、長期臥床による血流うっ滞が主な原因です。クッションで足底を支えることは、直接的に静脈血流の改善には繋がりません。深部静脈血栓症の予防には、早期離床、弾性ストッキングの着用、間欠的空気圧迫装置の使用などがあります。正しくは:深部静脈血栓症の予防には、下肢の自動運動や他動運動の促進、弾性ストッキングの着用、下肢挙上など血流改善を促す対策を行う。選びやすい理由:循環系の合併症も長期臥床でリスクのあるため、ポジショニングと結びつけやすいですが、クッションの部位と直接的な効果を混同しやすいです。混同注意:起立性低血圧の予防
国試ポイント
長期臥床患者のポジショニングにおける各部位のクッション挿入目的を理解する。
混同注意
褥瘡予防のポジショニングと混同しやすいが、Aの位置は足関節の角度維持が主な目的。褥瘡予防であれば、踵部を浮かせたり、骨突出部への圧迫を避けるようなポジショニングを検討する。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、クッションがどの部位に挿入されているか、その部位の関節の可動域や骨突出部の圧迫リスクを考慮して判断する。
関連知識
長期臥床による廃用症候群には、筋萎縮、関節拘縮、起立性低血圧、深部静脈血栓症などがあり、これらを予防するための全身的な看護介入が重要である。