老年期の身体的な特徴で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
高齢者では、体温調節中枢の機能低下、発汗機能の低下、皮膚血流調節機能の低下、皮下脂肪の減少など複合的な要因により、体温を一定に保つホメオスタシス機能が低下します。このため、熱中症や低体温症のリスクが高まります。
選択肢ごとの解説
- 1. 高齢者では腎機能の低下や濃縮力の低下により、夜間頻尿は増えますが、総尿量自体は大きく増加するわけではありません。むしろ膀胱容量の減少や排尿筋の機能低下から残尿が増えやすくなります。正しくは:夜間頻尿は増加するが、総尿量に大きな変化はないか、むしろ減少傾向にある。選びやすい理由:夜間頻尿が増えるという事実から、総尿量も増えるのかと誤解しやすい。混同注意:夜間頻尿と総尿量の増加を混同しやすい。
- 2. 高齢者では味蕾の数や機能が低下するため、味覚の感受性は低下します。特に塩味や苦味の感受性が低下しやすいです。正しくは:味覚の感受性が低下する。選びやすい理由:食事の好みが変化するため、味覚の変化は認識しやすいが、その方向性を誤解しやすい。混同注意:味覚の変化(例:薄味を好まなくなる)と味覚の感受性向上を混同しやすい。
- 3. 正解。高齢者では、視床下部の体温調節中枢の機能低下、皮膚の血管収縮反応の低下、発汗機能の低下、皮下脂肪の減少などにより、体温を適切に調節する能力が低下します。これにより、熱中症や低体温症のリスクが高まります。
- 4. 高齢者では免疫機能が低下するため、外来抗原(病原体など)に対する抗体産生能力が低下します。そのため、感染症にかかりやすく、重症化しやすい傾向があります。正しくは:外部からの病原体に対する抗体の産生が低下する。選びやすい理由:免疫機能が低下するという知識はあるが、具体的な変化(抗体産生の低下)と逆の方向に捉えてしまうことがある。混同注意:免疫機能の低下と抗体産生亢進を混同しやすい。
国試ポイント
老年期の身体的変化に関する基礎知識、特に生理機能の低下とそれによるリスクを理解しているか問う問題です。感覚器、排泄機能、免疫機能、体温調節機能といった多岐にわたる側面から基本的な変化を把握している必要があります。
混同注意
各選択肢が示す機能の変化が「亢進」するのか「低下」するのか、逆の解釈をしてしまうと誤答につながります。特に、何かの症状が増える(例:夜間頻尿)ことと、その機能自体の全体的なパフォーマンスが上がることを混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後も老年期の身体的特徴は頻出論点です。身体機能のどの側面が、どのような方向に変化し、それによってどのような健康リスクが生じるかを具体的に関連付けて学習することが求められます。特に、生活習慣病のリスクや、日常生活における注意点(転倒、誤嚥、感染症予防など)に繋がる変化が狙われやすいでしょう。
関連知識
老年期の生理的変化として他に、心肺機能の低下(最大心拍数減少、肺活量減少)、骨密度の低下(骨粗鬆症)、筋力低下(サルコペニア)、神経伝達速度の低下、消化器機能の低下(蠕動運動低下、消化酵素減少)、内分泌機能の変化(インスリン感受性低下など)があります。また、薬物代謝・排泄機能の低下により、薬の副作用が出やすくなることも重要です。