Aさん(50歳、男性、会社員)は妻と高校生の息子との3人暮らし。仕事を生きがいに働き続けていた。慢性腎不全のため透析治療が必要になったが、本人の希望で連続携行式腹膜灌流法〈CAPD〉を導入することになり入院した。Aさんはこれからの生活がどのようになるのかを看護師に質問した。 Aさんはできるだけ早い職場復帰を望んでおり、入院中はCAPDの操作に熱心に取り組んでいた。退院後、CAPDを1日4回(0時、6時、12時、18時)行うことになった。Aさんが会社の昼休みにCAPDを行うために必要な設備はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
CAPDの液交換は無菌操作が非常に重要であり、感染予防のためには清潔な環境とプライバシーが確保された空間が必要です(選択肢3)。また、交換に必要な透析液や関連物品も、汚染を避けて衛生的に保管するための専用スペースが不可欠です(選択肢4)。冷蔵庫や電子レンジは通常不要であり、透析液貯留中のベッドでの安静も必須ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. CAPDの透析液は通常、常温で保管され、冷蔵は不要です。むしろ冷たすぎると腹膜刺激や痛みの原因となることがあります。正しくは:透析液は直射日光を避け、常温で保管する。選びやすい理由:医薬品や医療材料の一部は冷蔵保存が必要なため、その知識と混同する可能性がある。混同注意:インスリンなどの冷蔵保存が必要な薬剤
- 2. 透析液を加温する場合は、専用の加温器を使用するのが一般的で、電子レンジは液が不均一に温まる可能性や、バッグを損傷するリスクがあるため不適切です。正しくは:必要に応じて専用の加温器を使用する。選びやすい理由:冷たい液を使用すると不快感や腹痛の原因となるため、温めることの必要性を知っていると選択しやすい。混同注意:輸液などの加温方法
- 3. 正解。CAPDの透析液交換は無菌操作が必須であり、感染症のリスクを避けるためには、清潔でプライバシーが保たれた個室空間で行う必要があります。職場で交換する場合は、他人の出入りがなく、清潔が保たれる個室が必須です。
- 4. 正解。CAPDの交換に必要な物品(透析液、接続チューブ、マスク、消毒液など)は、常に清潔に保ち、汚染を避けるために専用の保管場所が必要です。職場に置いておく場合は、衛生的で整理された専用棚が適切です。
- 5. CAPDの貯留時間は、腹腔内に透析液を貯めて日常生活を送る期間であり、ベッドでの安静は必須ではありません。通常通り活動することができます。正しくは:透析液貯留中は、普段通りの活動をして差し支えないことを理解する。選びやすい理由:透析中は安静にするというイメージから、ベッドが必要だと考えてしまう可能性がある。混同注意:血液透析中の安静、または腹膜透析の液交換中の安静
国試ポイント
この問題は、CAPDを自己管理する患者が日常生活(特に職場復帰)を送る上で、どのような環境整備が必要かという実践的な知識を問うています。特に無菌操作の重要性と、それに伴う環境要件を理解しているかが鍵となります。
混同注意
透析液の保管温度や加温方法、透析中の活動制限の有無。
次に同じ論点が出たら
CAPD患者の自己管理を支援する際、自宅環境や職場環境のアセスメント項目、および患者指導の具体的内容。
関連知識
CAPDの原理、感染予防の重要性、CAPD患者の日常生活指導、自己管理に必要な知識。