Aさん(50歳、男性、会社員)は妻と高校生の息子との3人暮らし。仕事を生きがいに働き続けていた。慢性腎不全のため透析治療が必要になったが、本人の希望で連続携行式腹膜灌流法〈CAPD〉を導入することになり入院した。Aさんはこれからの生活がどのようになるのかを看護師に質問した。 Aさんに対する説明として正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
Aさんは慢性腎不全で、連続携行式腹膜灌流法〈CAPD〉を導入します。腹膜透析を行っていても、残存腎機能の保護や体液・電解質の管理のために、塩分・水分・カリウム・リンなどを調整する食事療法は欠かせません。また、腹膜透析液にはブドウ糖が含まれ、腹膜から吸収されてエネルギー源となるため、摂取エネルギーの調整も必要です。したがって「食事療法が欠かせません」が正しい説明です(公式正答1)。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。糖尿病治療の基本は食事療法であり、血糖コントロールにおいて最も重要な要素の一つです。食事の内容や量を適切に管理することは、高血糖を防ぎ、合併症の予防にも繋がります。選びやすい理由:糖尿病治療の基本中の基本であるため、正答として選びやすいです。混同注意:薬物療法のみが治療の中心であるという誤解。
- 2. 週に2、3回の通院が必要なのは血液透析です。CAPDは自宅や職場で患者自身が透析液を交換して行う方法であり、通院は通常月に1、2回程度です。正しくは:「CAPDでは、通院は月に1、2回程度です」選びやすい理由:透析=週に数回通院するというイメージ(血液透析)から選んでしまうためです。混同注意:血液透析と腹膜透析(CAPD)の通院頻度の違い。
- 3. CAPDは透析液とバッグ交換の物品があれば場所を選ばずに行えるため、透析液を宿泊先に配送してもらうなどの準備をすれば、宿泊を伴う外出や旅行も可能です。正しくは:「準備をすれば旅行もできます」選びやすい理由:糖尿病患者は病気のために生活に制限がかかると誤解されがちであり、旅行などの大きな活動が制限されると思い込む可能性があります。混同注意:自己管理の必要性と、活動の全面的制限。
- 4. CAPDでは腹腔内にカテーテルを挿入する手術を行います。カテーテルの出口部の創が治癒するまでは、感染予防のため入浴はできません。翌日から入浴できるという説明は誤りです。正しくは:「カテーテル出口部の創が治るまでは入浴を控え、医師の許可が出てから入浴しましょう」混同注意:CAPDのカテーテル挿入術後の入浴開始時期。
国試ポイント
CAPDを導入する患者に対して、生活上の注意(食事療法、通院頻度、外出・旅行、カテーテル挿入後の入浴)を正しく説明できるかが問われています。
混同注意
CAPDは在宅で行う透析であり、血液透析(週2、3回の通院)とは異なり、通院は通常月1、2回程度です。透析液を持参・配送してもらえば宿泊を伴う旅行も可能です。
次に同じ論点が出たら
糖尿病の基本治療が問われた場合、まず食事療法と運動療法が第一選択肢であることを確認する。次に、病状の進行や合併症に関する不適切な限定的表現(〜は不可能)や、一般的な医療行為に関する誤情報(入浴時期)がないかを確認する。
関連知識
糖尿病性昏睡(高血糖高浸透圧症候群、糖尿病ケトアシドーシス)、糖尿病合併症(神経障害、網膜症、腎症、大血管症)、低血糖の症状と対応、糖尿病患者のフットケア。