Aさん(37歳、女性、会社員)は、夫(38歳)と2人暮らし。身長155 cm、体重57 kg。Aさんは、入浴中に右胸のしこりに気づき、病院を受診した。乳房超音波検査で右乳房外側下部に、直径約3cmの腫瘤が認められた。医師から乳癌の可能性が高いと説明され、検査を受けたところ、右乳癌と診断された。 確定診断のため、Aさんに行われた検査はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
針生検は、病変部から組織を直接採取し、病理学的に細胞の形態や異型度を評価する検査です。これにより、悪性腫瘍の有無や種類、進行度などを組織学的に確定診断することが可能であり、他の画像診断では得られない決定的な情報を提供します。
選択肢ごとの解説
- 1. MRI検査は病変の形態や広がりを評価するのに優れていますが、組織の病理組織学的な確定診断を下すことはできません。正しくは:MRI検査は、軟部組織の病変検出や詳細な解剖学的情報の評価に有用な画像診断法である。選びやすい理由:MRIは多くの疾患の診断に用いられる高度な画像診断法であるため、確定診断にも有用だと誤解されやすい。混同注意:画像診断による病変の検出・評価と、組織学的診断による確定診断。
- 2. 正解。針生検は病変部から組織を採取し、病理組織学的に診断することで、疾患の確定診断を下すことができます。選びやすい理由:確定診断には直接組織を評価することが最も確実であるという理解があれば選択しやすい。混同注意:画像診断のみで確定診断が可能だと誤解すること。
- 3. PET-CT検査は、細胞の代謝活性を画像化し、病変の活動性や転移の有無を評価するのに有用ですが、組織の病理組織学的な確定診断を下すことはできません。正しくは:PET-CT検査は、悪性腫瘍の病期診断、治療効果判定、再発の有無の評価に有用な画像診断法である。選びやすい理由:PET-CTはがんの早期発見や転移診断に非常に有用であるため、確定診断にもつながると誤解されやすい。混同注意:機能画像診断による病変の評価と、組織学的診断による確定診断。
- 4. マンモグラフィは乳房X線撮影であり、乳腺組織の異常を検出する画像診断法ですが、組織の病理組織学的な確定診断を下すことはできません。正しくは:マンモグラフィは、乳がん検診や乳腺疾患のスクリーニング、精密検査に用いられる画像診断法である。選びやすい理由:乳がんの診断に広く用いられるため、確定診断にもつながると誤解されやすい。混同注意:特定の臓器の画像診断と、組織学的診断による確定診断。
国試ポイント
確定診断には病理組織学的検査が必須であることを理解する。
混同注意
画像診断(MRI, PET-CT, マンモグラフィ)は病変の存在、位置、性状、代謝状態などを評価するのに有用だが、組織学的な確定診断には至らない点を区別する。
次に同じ論点が出たら
「確定診断」というキーワードがあれば、組織や細胞を直接採取して病理学的に評価する検査(生検、細胞診など)が最も適切であると判断する。
関連知識
確定診断のゴールデンスタンダードは組織学的検査(生検)である。鑑別診断や病期診断には画像診断が広く用いられる。腫瘍マーカーは補助診断であり、確定診断には使用しない。