Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週4日で男児を正常分娩した。出生体重3,000 g、身長48.0 cm。出生直後、児に付着していた羊水を拭き取り、インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。その後、温めておいた衣服を着せてコットに寝かせ、コットを空調の風が当たらない場所に配置した。 看護師の行為で対流による児の熱喪失を予防したのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
対流による熱喪失は、体の表面を冷たい空気や水の流れが通過することで熱が奪われる現象です。エアコンの風のような空気の動きが直接体に当たると、体温が奪われやすくなります。コットを風が当たらない場所に置くことは、この空気の流れ(対流)を防ぎ、新生児の体温保持に寄与します。他の選択肢は、それぞれ蒸発、放射、伝導・保温といった異なる熱喪失メカニズムへの対策です。
選択肢ごとの解説
- 1. 羊水の拭き取りは、蒸発による熱喪失(気化熱)を防ぐための行動です。濡れた体が乾燥する際に熱が奪われるのを防ぎます。正しくは:蒸発による熱喪失を防ぐ。選びやすい理由:新生児の熱喪失予防の重要なケアであるため、正しいケアとして選択されやすい。混同注意:蒸発による熱喪失と混同しやすい。
- 2. インファントラジアントウォーマーの使用は、放射による熱喪失を防ぐ、または外部から熱を供給するための介入です。体から周囲の冷たい物体への熱の放射を防ぎます。正しくは:放射による熱喪失を防ぐ。選びやすい理由:新生児の体温保持に非常に有効な手段であるため、正答に感じやすい。混同注意:放射による熱喪失と混同しやすい。
- 3. 温かい衣服を着せることは、伝導による熱喪失(衣服との接触)を防ぐとともに、体温が直接周囲の空気に触れるのを防ぎ、ある程度の対流を防ぐ効果もありますが、主に保温・伝導への対策です。最も直接的な対流の予防策ではありません。正しくは:主に伝導による熱喪失を防ぐ。また、衣服で体を覆うことで熱の放散全般を抑える。選びやすい理由:保温ケア全般として認識されやすく、間違いではないため選択肢として魅力的に映る。混同注意:伝導、放射、対流による熱喪失の複合的な予防効果と混同しやすい。
- 4. 正解。対流による熱喪失は、空気や水の動き(流れ)によって体温が奪われる現象です。エアコンの風は空気の流れであり、これが直接体に当たると、肌の表面から熱が奪われやすくなります。風が当たらない場所にコットを配置することで、この空気の流れによる熱喪失、つまり対流を防ぐことができます。
国試ポイント
新生児の熱喪失メカニズム(蒸発、伝導、対流、放射)と、それぞれの熱喪失を防ぐ具体的な看護ケアの関連性を理解しているかが問われています。特に、4つのメカニズムを区別し、適切なケアを選択できる知識が必要です。
混同注意
熱喪失の4つのメカニズム(蒸発、伝導、対流、放射)それぞれの定義と、それに対応するケアが混同されやすい。例えば、「羊水拭き取り」を伝導や対流と誤解したり、「ラジアントウォーマー」を対流防止と誤解したりする可能性がある。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の熱喪失メカニズム(蒸発、伝導、放射)を防ぐ具体的な看護ケアについて問われる可能性が高い。また、新生児のバイタルサインの異常(特に低体温)を発見した際の、初期対応や観察項目についても確認しておくべきです。
関連知識
新生児の体温調節機能の未熟性、体温保持の重要性、低体温が新生児に与える影響(代謝亢進、呼吸窮迫など)。分娩室や新生児室における室温管理の重要性。保温のための具体的な物品や方法(ラップ、帽子、衣服、温タオルなど)。