知的障害〈精神遅滞〉について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
知的障害は、推論、問題解決、計画、抽象的思考、判断、学業学習、経験からの学習といった知的機能における重大な欠陥と、概念的、社会的、実用的な領域における適応機能の欠陥という2つの主要な特徴によって定義されます。これらが発達期に生じることが条件です。
選択肢ごとの解説
- 1. 知的障害は、発達期(一般的に18歳未満)に発症する神経発達症群の一つです。成人期に新たに発症するものではなく、幼少期や学童期にその特徴が明らかになります。正しくは:発達期(一般的に18歳未満)に発症する。選びやすい理由:成人になってから診断されるケースや、成人期に知的機能の低下を伴う他の疾患と混同しやすいため、誤って選択してしまうことがあります。混同注意:認知症や脳損傷による後天的な知的機能の低下と混同されやすいです。知的障害は「発達期の始まり」が重要な特徴です。
- 2. 知的障害は、特定の年齢までに適切な発達水準に達しない状態を指し、退行(獲得した能力の喪失)が主たる特徴ではありません。退行は他の発達障害や神経疾患で見られる症状であり、知的障害の定義とは異なります。正しくは:知的機能と適応機能が発達期に基準を満たさない状態である。選びやすい理由:発達上の課題や困難を抱える点で、発達障害の一部でみられる退行症状と関連付けてしまいやすいかもしれません。混同注意:認知症、一部の神経変性疾患、あるいは自閉スペクトラム症の一部で見られる「スキルの喪失(退行)」と混同されやすいです。
- 3. 統合失調症と知的障害はそれぞれ異なる精神疾患・神経発達症であり、統合失調症が知的障害の直接的な原因になることはありません。両者が併存するケースはありますが、原因と結果の関係ではありません。正しくは:様々な先天性または周産期の要因によって引き起こされる。選びやすい理由:精神科領域の疾患名が並んでいるため、知識が曖昧な場合に、関連性があるように見えて選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:精神疾患と知的障害の併存(二重診断)や、精神疾患による認知機能障害と混同されやすいです。
- 4. 正解。知的障害の診断基準(DSM-5など)において、概念的、社会的、実用的な領域における適応機能の欠陥と、推論、問題解決、計画、抽象的思考、判断、学業学習、経験からの学習といった知的機能の有意な障害が中核的な特徴とされています。
国試ポイント
知的障害の基本的な定義と診断基準、特に「知的機能の障害」と「適応機能の障害」が同時に存在することが問われています。また、発症時期(発達期)も重要なポイントです。
混同注意
知的障害は、認知症(成人期発症の後天的な知的機能低下)、学習障害(特定の学習分野のみに困難があり、全般的な知的機能の障害ではない)、自閉スペクトラム症(社会的コミュニケーションの困難が主症状)など、他の精神疾患や発達障害と混同されやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が問われた場合、知的障害の定義における「知的機能」と「適応機能」の両方の障害が「発達期」に生じるという3つのキーワードに注目して選択肢を判断する必要があります。また、他の精神疾患や発達障害との鑑別点も重要になります。
関連知識
知的障害の診断には、標準化された知能検査(IQスコア)と適応行動尺度(Vineland IIなど)が用いられます。重症度分類(軽度、中等度、重度、最重度)は、適応機能の障害の程度に基づいて行われ、それぞれのレベルで必要な支援が異なります。