社会生活技能訓練〈SST〉について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
社会生活技能訓練(SST)は、統合失調症などの精神疾患を持つ方々が、社会生活で必要となる対人関係や自己管理などの技能を学習し、実際に使えるように訓練するプログラムです。具体的には、ロールプレイングを通して技能を実践し、専門家や他の参加者からのフィードバックを得ることで、より適切な行動パターンを身につけます。このアプローチは、行動変容を促すという点で認知行動療法の一分野として位置づけられています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。社会生活技能訓練(SST)は、患者さんが対人関係や社会生活において必要となる具体的な技能を習得するため、認知行動療法の理論と技法(モデリング、ロールプレイング、フィードバック、褒めるなど)を応用して行われる訓練です。行動変容に焦点を当てたアプローチであることから、認知行動療法の一種と位置づけられます。
- 2. SSTの主な目的は、対人関係スキルや日常生活に必要な社会生活技能の獲得・向上であり、生活リズムの改善はSSTに特化した目的ではありません。生活リズムの改善は、精神疾患を持つ方々の一般的な生活支援やリハビリテーションの中で重要視される要素ですが、SSTの直接的な目的とは異なります。正しくは:対人関係や社会生活に必要な技能の獲得・向上が主な目的です。選びやすい理由:精神疾患を持つ方にとって生活リズムの安定は非常に重要であるため、SSTもその一環として生活リズムの改善を目指すと誤解しやすいです。混同注意:精神科リハビリテーション全般の目標と、SSTという特定の治療法の具体的な目的を混同しやすいです。
- 3. SSTは、特定の社会生活技能の習得を目指して、モデリング、ロールプレイング、フィードバックといった体系的な訓練プログラムを中心に行われます。レクリエーション活動は気分転換やQOL向上に寄与しますが、技能訓練そのものではなく、SSTの中心的な内容ではありません。正しくは:ロールプレイングやフィードバックなどを用いた体系的な技能訓練が中心です。選びやすい理由:精神科デイケアなどでレクリエーション活動が行われることが多いため、SSTも同様にレクリエーションが中心だと誤解しやすいです。混同注意:精神科デイケアや作業療法で行われる活動と、SSTの具体的な介入内容を混同しやすいです。
- 4. SSTは通常、病院や精神科施設、地域活動支援センターなどの特定の場所で、グループ形式で実施されることが多いです。アウトリーチ(訪問支援)は、地域で生活する患者さんへの支援形態であり、SSTの実施方法としては一般的ではありません。アウトリーチは訪問看護や地域移行支援などで活用されます。正しくは:主に病院や施設などのグループで実施されます。選びやすい理由:地域精神医療の推進に伴い、アウトリーチ支援の重要性が高まっているため、SSTもその一環であると誤解しやすいです。混同注意:地域精神医療における様々な支援形態(訪問看護、訪問リハビリ、アウトリーチなど)と、SSTの実施場所や形式を混同しやすいです。
国試ポイント
SSTは精神科看護における重要なリハビリテーションの一つであり、その定義、目的、具体的な技法、そしてどのような理論的背景(認知行動療法)に基づいているかが問われやすい論点です。また、他の精神科リハビリテーション(作業療法、デイケアなど)との違いや、適用対象となる疾患(主に統合失調症など)についても理解しておく必要があります。
混同注意
認知行動療法全般、精神科作業療法、精神科デイケア、レクリエーション活動、アウトリーチ支援。
次に同じ論点が出たら
次にSSTに関する問題が出た場合、SSTの具体的な実施内容(プログラムの構成要素、各ステップ、評価方法)、SSTの効果やエビデンス、そしてどのような患者さんに適用され、どのような場合には適用が難しいか(禁忌)について深く学習すると良いでしょう。また、SSTと他の精神科リハビリテーションプログラムとの連携や、多職種による支援体制についても理解を深めることが重要です。
関連知識
統合失調症の回復期・維持期のリハビリテーション、認知行動療法の基本的な技法(モデリング、ロールプレイング、強化)、精神科デイケアや精神科訪問看護の役割、地域精神医療における多職種連携。