Aちゃん(2歳、男児)は両親、兄(5歳)の4人家族である。3日前から発熱が続くため、母親と一緒に外来を受診した。診察の結果、川崎病と診断され、個室に入院となり左手背に点滴静脈内留置針が挿入された。入院中は母親が希望し、Aちゃんに付き添っている。Aちゃんにγ-グロブリン療法とアスピリンの内服が開始されることになった。看護師がγ-グロブリン療法の開始のために訪室すると、Aちゃんは不機嫌にぐずって泣いている。 Aちゃんの入院中、母親は一度も自宅に帰らずに付き添いを続けている。入院3日の朝に看護師が訪室したところ、母親が「夫から電話があって、Aの入院後、兄がほとんど寝ずに大泣きしているらしく、私は心配です」と話している。母親への看護師の対応で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
母親はAちゃんだけでなく、自宅に残された兄のことも深く心配しており、母親自身の精神的な負担が大きくなっています。この状況で看護師がすべきは、母親の精神的安定を図ることであり、そのためには兄と関わる時間を確保できるよう、一時的な帰宅を促すことが最も適切です。これにより、母親は家族全体への責任を果たしつつ、自身の精神的健康も維持しやすくなります。母親が落ち着くことは、結果的にAちゃんへの質の高いケアにも繋がります。
選択肢ごとの解説
- 1. 入院中の兄妹面会は、感染管理や患者の安静、他の患者への影響などを考慮し、安易に許可すべきではありません。特に兄が不安定な状態であるため、面会が適切かどうかは慎重に判断する必要があります。正しくは:面会が可能かどうか、まずは感染状況やAちゃんの状態、病院のルールを確認し、医師と相談することを提案する。選びやすい理由:兄妹の面会は精神的な支えになるという側面から、良い解決策に思えるかもしれません。混同注意:患者の心理的支援と、感染管理・安全管理の優先順位を混同しやすいです。
- 2. この対応は母親の不安を無視し、精神的な負担を増大させる可能性があります。母親の精神状態が安定していなければ、Aちゃんのケアにも悪影響を及ぼす恐れがあります。家族全体の健康と福祉を考慮することが重要です。正しくは:母親の心配に共感を示し、不安を受け止めた上で、現在の状況を一緒に考える姿勢を見せる。選びやすい理由:患者中心のケアという考え方から、直接患者のケアに集中することが最善と誤解するかもしれません。混同注意:患者中心のケアと、家族を含めた全体的なケアの視点を混同しやすいです。家族の心理的支援も、ひいては患者の治療に繋がります。
- 3. 正解。母親が兄の状況を心配しているため、その心配事を解消できるよう、一時的な帰宅を促し、家族との時間を確保できるように支援することは、母親の精神的安定につながります。母親が落ち着くことで、Aちゃんのケアにも良い影響を与えられます。また、兄の精神的健康も保たれます。選びやすい理由:母親が付き添いを中断することへの抵抗感から、この選択肢を選びにくいかもしれませんが、母親自身のケアも重要です。混同注意:母親が付き添いを中断することと、母親自身の精神的・身体的健康を維持することのバランスを混同しやすいです。
- 4. Aちゃんの入院期間や退院の可否は、病状や治療計画によって医師が判断するものであり、家族の状況だけで安易に退院を約束したり、相談を持ちかけたりすることは適切ではありません。患者の病状を考慮せずに退院を促すことは危険であり、不確実な情報を提供することは母親を混乱させる可能性があります。正しくは:Aちゃんの現在の病状と治療計画について情報提供し、必要に応じて医師から直接説明してもらうことを検討する。選びやすい理由:母親の不安を解消するために、退院という解決策を提示したくなるかもしれません。混同注意:家族の要望と、医療的な判断基準を混同しやすいです。
国試ポイント
入院中の子どもの母親が、自宅に残る他の家族(特に兄弟姉妹)のことで精神的負担を感じている場合、看護師がどのように家族全体を支援すべきかを問う問題です。患者本人だけでなく、家族全体の状況を把握し、母親の心理的側面にも配慮した適切な介入が求められます。
混同注意
子どもの入院中の母親への対応において、患者中心のケアと家族中心のケアのバランス、そして母親自身の精神的健康への配慮が問われます。安易な面会許可や、病状に関係なく退院を匂わせる行為、あるいは母親の心配事を無視する対応は不適切です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の状況が出題された場合、患者の治療と家族の心理的支援のバランス、母親の精神的・身体的健康の維持、そして家族全体の生活の継続性を考慮した選択肢が正解となりやすいでしょう。
関連知識
家族中心のケア、ストレスコーピング、子どもの入院が家族に与える影響、母親の役割、社会的サポートの重要性、レスパイトケア。