生活保護法に基づき生活保護の実務を行うのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
生活保護法第19条において、生活保護は「都道府県知事、市長及び福祉事務所を設置する町村長」がその実施機関であると規定されています。実務上、これらが行う生活保護に関する業務は、各自治体に設置された福祉事務所が担当します。福祉事務所には、被保護者の自立を支援する「ケースワーカー」が配置されており、生活保護の申請から決定、その後の指導・援助まで一貫して行います。
選択肢ごとの解説
- 1. 保健所は、地域の公衆衛生の向上や疾病の予防、健康増進などを主な目的とする機関です。生活保護の具体的な実務は担当しません。正しくは:生活保護の実務は担当せず、健康相談や感染症対策など、主に地域住民の健康に関わる業務を行います。選びやすい理由:地域住民の福祉に関わるイメージがあるため、広義の「福祉」と混同して選んでしまう可能性があります。混同注意:福祉事務所(生活保護担当)と混同することは少ないですが、地域住民の生活支援という点で漠然としたイメージが重なるかもしれません。
- 2. 正解。福祉事務所は、生活保護法に基づいて生活保護の申請受付、調査、決定、保護費の支給など、生活保護に関する一連の実務を直接行います。これは、生活保護行政の中心的な役割を担う機関です。
- 3. 精神保健福祉センターは、精神保健に関する相談、情報提供、社会復帰支援など、精神疾患を持つ人々の支援を専門に行う機関です。生活保護の実務は担当しません。正しくは:生活保護の実務は担当せず、精神的な健康問題や精神障害者の福祉に関する専門的な相談支援を行います。選びやすい理由:「福祉」という言葉が含まれているため、生活保護も福祉の一部と捉え、関連機関だと誤解する可能性があります。混同注意:福祉事務所や保健所のように、地域住民の生活支援に関わる他の福祉機関と混同する可能性があります。
- 4. 地域包括支援センターは、主に高齢者の総合的な相談支援、介護予防ケアマネジメント、権利擁護などを担う機関です。生活保護の申請・決定といった具体的な実務は担当しません。正しくは:生活保護の実務は担当せず、高齢者の生活全般に関する相談対応や、介護予防サービスの利用支援などを行います。選びやすい理由:地域住民の相談窓口としての役割があるため、生活困窮者の相談も受け付けているのではないかと考えてしまうかもしれません。しかし、生活保護の決定権限はありません。混同注意:福祉事務所(様々な福祉課題に対応)と混同しやすいかもしれません。地域包括支援センターは「高齢者」に特化している点が異なります。
国試ポイント
この問題は、日本の社会保障制度における生活保護制度の運用主体、特にその実務を担う行政機関について理解しているかを問うものです。看護師は、患者の生活状況に応じて適切な社会資源を紹介する必要があるため、各機関の役割を正確に把握していることが重要です。
混同注意
地域の住民の健康や福祉に関わる他の行政機関(保健所、精神保健福祉センター、地域包括支援センターなど)と、生活保護の具体的な実務を行う機関の役割を混同しやすいです。それぞれの専門分野や対象、権限の違いを明確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出題された場合、選択肢の各機関が「どの法律に基づいて」「誰を対象に」「どのような具体的な業務」を行っているのかを整理し、特に「最終的な決定権限」や「直接的な保護の実施」を行っているかどうかに着目して判断すると良いでしょう。
関連知識
保健所は地域住民の健康増進・疾病予防、精神保健福祉センターは精神疾患を持つ人の支援、地域包括支援センターは高齢者の総合的な支援を主な役割としています。これらの機関がそれぞれどのような法律に基づいて、どのような業務を担っているのかを把握することが関連知識として重要です。