ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉について正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
ヘモグロビンA1c(HbA1c)は赤血球中のヘモグロビンにブドウ糖が非酵素的に結合して糖化されたもので、その結合は不可逆的です。赤血球の寿命(約120日)に依存して血液中に存在する期間が決まるため、過去1~2ヶ月(平均1~2ヶ月)の血糖値を反映します。赤血球の寿命が短縮する溶血性貧血などではHbA1cが低値となり、逆に延長する再生不良性貧血などでは高値となることがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. HbA1cに測定値の上限は定められていません。糖尿病が重度であるほど高値を示し、場合によっては15%を超えることもあります。正しくは:HbA1cに測定値の上限は定められていません。選びやすい理由:一般的な検査項目には基準値や異常値の範囲があるため、上限が定められていると誤解しやすいかもしれません。混同注意:正常値の範囲や、糖尿病の診断基準(例: 6.5%以上)
- 2. 正解。HbA1cは赤血球中のヘモグロビンが糖化したものであり、赤血球の寿命(約120日)に依存して血液中に存在する期間が決まります。そのため、赤血球の寿命が短縮する溶血性貧血や多量の出血、腎性貧血治療などで測定値は低値に、逆に赤血球の寿命が延長する再生不良性貧血などでは高値に影響されます。選びやすい理由:正しい記述だから。
- 3. HbA1cは赤血球の平均寿命が約120日であることから、過去1~2ヶ月(正確には過去約1~2ヶ月)の血糖管理状態を反映します。1~2週間では短すぎます。正しくは:過去1~2ヶ月程度の血糖管理状態を示す指標です。選びやすい理由:血糖管理の指標であることは正しいが、期間を混同しやすい。グリコアルブミン(GA)が過去1~2週間を反映するため、それと混同した可能性があります。混同注意:グリコアルブミン(GA)の測定期間
- 4. グリコアルブミン(GA)は血清アルブミンが糖化したもので、アルブミンの半減期(約17日)から過去1~2週間程度の血糖管理状態を反映します。一方、HbA1cは赤血球の寿命(約120日)から過去1~2ヶ月程度の血糖管理状態を反映するため、グリコアルブミンの方が短期間の指標となります。正しくは:グリコアルブミンよりも長期間の血糖管理の指標となります。選びやすい理由:どちらも血糖管理の指標であるため、期間の長短を混同しやすい。GAの方が半減期が短いため、GAの方が短期間の指標です。混同注意:グリコアルブミン(GA)との期間の比較
- 5. 正解。ヘモグロビンA1cは、赤血球中のヘモグロビンのβ鎖N末端バリンにブドウ糖が非酵素的に結合して糖化されたタンパク質の一種です。この糖化反応は不可逆的であり、血糖値が高いほど多く結合します。選びやすい理由:正しい記述だから。
国試ポイント
HbA1cの基本的な定義、測定原理、および測定値に影響を与える因子を理解すること。
混同注意
HbA1cとグリコアルブミン(GA)の測定期間の違い。HbA1cは過去1~2ヶ月、GAは過去1~2週間を反映します。
次に同じ論点が出たら
HbA1cの問題が出た場合、その測定原理が赤血球の寿命とブドウ糖の結合に基づいている点、およびその期間が1〜2ヶ月であることを確認する。
関連知識
HbA1cは糖尿病の診断基準(6.5%以上)や血糖コントロール指標として重要です。HbA1cの国際標準化(NGSP値とJDS値)や、その他の血糖管理指標(空腹時血糖、食後血糖、経口ブドウ糖負荷試験、グリコアルブミン、1,5-アンヒドログルシトールなど)も関連知識として理解しておく必要があります。