Aさん(76歳、女性)は、長女(46歳、会社員)との2人暮らし。Aさんは5年前に2型糖尿病と診断された。1年前から血糖測定とインスリン自己注射を朝1回行っている。炊事は主にAさんが担当している。Aさんは、長女の帰宅に合わせて夕食を摂るため、夕食時間にばらつきがある。定期の外来受診時にAさんは「時々汗が出て手が震えることがあります」と外来看護師に相談した。Aさんのバイタルサインは、体温36.4°C、脈拍74/分、血圧128/80 mmHg。身長154 cm、体重68 kgである。 このとき、外来看護師がAさんに行う指導で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
糖尿病患者の血糖コントロールでは、食事の時間と量を一定に保つことが重要です。決まった時間に食事を摂ることで、血糖値の急激な変動を抑え、インスリン分泌とのバランスを安定させることができます。これにより、低血糖や高血糖のリスクを軽減し、合併症の予防にも繋がります。
選択肢ごとの解説
- 1. 糖質を含まない水分摂取は脱水予防に有効ですが、糖尿病患者の指導としてこれだけでは不十分であり、食事全体のバランスを考慮する必要があります。また、水分の種類によっては血糖値に影響を与えるものもあるため、適切な指導とは言えません。正しくは:血糖値に影響しない水分(水やお茶など)を適切な量摂取する。選びやすい理由:糖尿病患者は脱水に注意が必要であり、糖質を含む飲料の摂取を控えるべきという知識から、一見正しいように見えるため。混同注意:脱水予防と血糖コントロールのための水分摂取の具体的方法。
- 2. 労作後に食事摂取量を増やすと、血糖値が急上昇するリスクがあります。特にインスリン治療中の患者や経口血糖降下薬を使用している患者では、低血糖や高血糖を招く可能性があり、不適切な指導です。運動量に応じて食事量を調整する場合は、専門職の指導の下、慎重に行う必要があります。正しくは:労作量に応じて、事前に医師や管理栄養士の指導のもと、適切に食事量や内容を調整する。選びやすい理由:運動後はエネルギーを消費するため、食事量を増やすのが一般的という誤解。糖尿病患者においては、運動と食事のバランスが重要であり、安易な増量は血糖コントロールを乱す。混同注意:非糖尿病者の運動後の栄養補給と糖尿病患者の運動時の血糖管理。
- 3. 正解。決まった食事時間を設定することは、糖尿病患者の血糖コントロールにおいて非常に重要です。食事時間を一定にすることで、食後の血糖値の上昇パターンが予測しやすくなり、インスリンや経口血糖降下薬の効果とのバランスが取りやすくなります。これにより、血糖の安定化を図り、合併症のリスクを低減することができます。選びやすい理由:糖尿病患者の食事指導の基本であるため、選択しやすい。混同注意:食事内容の制限と食事時間の規則性の両方が重要であること。
- 4. 空腹感に応じて食事を摂ることは、血糖コントロールを不安定にします。糖尿病患者は、決まった時間に規則正しく食事を摂り、食事量を一定に保つことで、血糖値の急激な変動を防ぐ必要があります。空腹感任せの食事は、間食の増加や食事時間の不規則化を招き、血糖コントロールを悪化させます。正しくは:空腹感の有無にかかわらず、決まった時間に規則正しく食事を摂る。選びやすい理由:一般的な食事習慣や食欲に従うことは自然な行動であるため、一見すると適切に思える。しかし、糖尿病患者においては血糖管理を優先すべきである。混同注意:健康な人の自然な食欲と糖尿病患者の血糖コントロールのための食事管理。
国試ポイント
糖尿病患者の食事指導の基本原則(規則正しい食生活、血糖コントロールの重要性)。
混同注意
糖尿病患者の食事療法における「柔軟性」と「規則性」のバランス。基本的な規則性が確立された上で、個々の状況に応じた柔軟な対応が考慮される。
次に同じ論点が出たら
糖尿病患者の生活指導に関する問題では、血糖コントロールに直結する食事・運動・服薬の規則性を問う選択肢が正しい傾向にあるか確認する。
関連知識
シックデイ時の食事対応、カーボカウント、GI値(グリセミックインデックス)を考慮した食品選択、合併症予防のための食事管理。