仙骨部に皮下組織に達する褥瘡がある患者が入院となった。患者は車椅子の利用を主治医に許可されている。この患者に対する多職種で行う褥瘡ケアにおいて、受け持ち看護師が担う役割で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
車椅子使用時の除圧は褥瘡管理の重要な要素です。理学療法士は身体機能や姿勢調整の専門家であるため、車椅子上での適切な姿勢保持、体圧分散クッションの選択、定期的な体位変換や姿勢調整について、看護師と協力して具体的な方法を検討することが非常に有効です。これにより、仙骨部の褥瘡が悪化するのを防ぎ、治癒を促進することが期待できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 外用薬の処方権は医師にあります。看護師が薬剤師に直接処方を依頼することはできません。正しくは:医師に外用薬の処方について相談する。選びやすい理由:薬剤師は薬の専門家であるため、関連があるように思える。混同注意:薬剤師の役割と医師の役割を混同しやすい。
- 2. 汚染されたガーゼは医療廃棄物であり、その適切な処理は医療従事者の責任です。事務職員に依頼するのではなく、病院の感染管理規定に従って看護師自身が処理するか、指示に従い適切に廃棄を管理する必要があります。正しくは:使用済みガーゼは医療廃棄物として適切に処理する。選びやすい理由:事務職員が医療機関の様々な業務を担っているため、雑務の一部と誤解する可能性がある。混同注意:医療廃棄物の適切な処理方法と、病院内の職種ごとの役割分担について誤解しやすい。
- 3. ドレッシング材(創傷被覆材)の選択は、褥瘡の状態評価に基づき、看護師が医師と相談しながら行います。介護職員は医療行為であるドレッシング材の選定を直接行う役割ではありません。正しくは:褥瘡の状態を評価し、医師と相談して適切なドレッシング材を選定する。選びやすい理由:介護職員が患者の身近なケアに関わるため、ケア用品の選定にも関わると考えるかもしれない。混同注意:医療行為と介護行為の境界、および各職種の専門性を混同しやすい。
- 4. 正解。褥瘡の予防と治療には、除圧が非常に重要です。理学療法士は身体機能の専門家であり、車椅子での正しい姿勢や体位変換、適切なクッションの使用など、除圧に関する具体的な方法について専門的な知識を持っています。看護師が理学療法士と連携し、患者の状態に合わせた除圧方法を検討することは、褥瘡ケアにおいて非常に適切な役割です。正しくは:特になし。この選択肢は正しい。選びやすい理由:特になし。これは正しい役割である。混同注意:各職種の専門性を理解していれば誤解しにくい。
国試ポイント
多職種連携における各職種の専門性と役割理解、特に褥瘡ケアにおける看護師のリーダーシップと連携能力が問われています。具体的な状況において、どの専門職とどのように連携すべきかを判断する能力が求められます。
混同注意
各専門職の役割が明確でないと、誰に何を依頼すべきか迷う可能性があります。特に、医療行為とそれ以外の業務の区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
この患者が退院後も車椅子を使用し続ける場合、在宅での褥瘡予防ケアについて、地域の訪問看護師や介護支援専門員とどのように連携していくか検討が必要となります。
関連知識
褥瘡の発生メカニズム(圧迫、摩擦、ずれ)、褥瘡の病期分類(DESIGN-R)、褥瘡ケアの原則(除圧、清潔、保湿、栄養管理)、多職種連携の重要性(医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、ソーシャルワーカーなど)。