長期に大量飲酒をした後で、急に断酒した際にみられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
長期にわたる大量飲酒を急に中断すると、アルコールの抑制効果が消失し、自律神経系の過興奮が生じます。これにより、手指の震え、発汗、頻脈、不眠などのアルコール離脱症状が進行し、重症化すると振戦せん妄を発症します。振戦せん妄は、意識混濁、幻覚、見当識障害、妄想などを伴う重篤な状態であり、生命に関わることもあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 病的酩酊は、少量のアルコール摂取でも意識変容や興奮、幻覚などを伴う異常な反応を示す状態であり、断酒によって生じるものではありません。正しくは:急性アルコール中毒による症状の一つであり、断酒とは関連しません。選びやすい理由:アルコール関連の精神症状ではあるが、断酒が原因ではないため混同しやすい。混同注意:アルコール摂取が直接の原因であるため、断酒によって生じる症状とは異なります。
- 2. 正解。振戦せん妄は、長期にわたる大量飲酒後に急激な断酒を行った際に、神経系の過興奮によって引き起こされる重篤な離脱症状です。手指の震え、幻覚、見当識障害、意識障害などが主な症状として現れます。正しくは:長期飲酒後の急な断酒により、自律神経の過活動が生じ、振戦せん妄を発症します。選びやすい理由:アルコール性幻覚症と混同しやすいが、振戦せん妄はより広範囲な意識障害を伴います。混同注意:アルコール離脱症候群の最も重篤な形であり、断酒後に発症します。
- 3. アルコール性認知症は、長期にわたるアルコール摂取による脳への持続的なダメージによって引き起こされる慢性的な認知機能障害であり、急な断酒によって突然現れる症状ではありません。正しくは:長期的なアルコール摂取による脳機能の慢性的な障害であり、断酒直後に見られる急性症状ではありません。選びやすい理由:アルコール関連の認知機能障害であるため、長期飲酒の文脈で誤って選ばれやすい。混同注意:数年から数十年といった長期間の飲酒の結果生じる慢性の病態であり、急性の断酒症状とは異なります。
- 4. Korsakoff症候群は、Wernicke脳症に続いて発症することが多い、チアミン(ビタミンB1)欠乏による重度の記憶障害(特に記銘力障害)を特徴とする慢性的な精神疾患であり、断酒直後に急激に現れるものではありません。正しくは:チアミン欠乏による慢性的な記憶障害が主症状であり、急な断酒による急性期の症状とは異なります。選びやすい理由:アルコール依存症の合併症として知られるため、振戦せん妄と誤って選ばれやすい。混同注意:Wernicke脳症が先行することが多く、これも長期的な栄養障害の結果であり、急性の断酒症状とは異なります。
国試ポイント
アルコール依存症患者の断酒に伴う離脱症状、特に振戦せん妄の症状と発症機序に関する知識が問われています。アルコール関連の精神疾患の急性期症状と慢性期症状を区別することが重要です。
混同注意
病的酩酊はアルコール摂取中の異常行動、アルコール性認知症やKorsakoff症候群は長期的なアルコール摂取による慢性的な脳機能障害であり、断酒による急性期の離脱症状である振戦せん妄とは鑑別が必要です。
次に同じ論点が出たら
患者が振戦せん妄の症状を示した場合、どのような緊急処置と看護介入が必要か。
関連知識
アルコール離脱症候群(軽症から重症まで)、Wernicke脳症、アルコール性幻覚症、アルコール性てんかんについても学習しておくと、より理解が深まります。