心房細動について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
心房細動では、心房内で無秩序な興奮が起こり、心房が効果的に収縮せず、血液が淀むため、心房内部、特に左心耳に血栓が生じやすい状態となります。この血栓が全身に塞栓症を引き起こすリスクがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 心房細動では、心房の電気的興奮が不規則かつ微細であるため、心電図上、P波は消失し、基線に不規則なf波(細動波)が認められます。正しくは:心電図上、P波は確認できず、代わりに不規則なf波が認められます。選びやすい理由:P波は心房の興奮を示す波形であるため、不整脈でも何らかのP波があるのではと考えるかもしれません。混同注意:洞調律、心房粗動(鋸歯状のF波が見られる)など他の不整脈でのP波(またはそれに準ずる波)の有無。
- 2. 心房細動では、心房内の興奮が不規則かつ無秩序であるため、心房の興奮リズムは整然としていません。毎分350〜600回程度の速く不規則な興奮が生じます。正しくは:心房の興奮リズムは不規則です。選びやすい理由:「整然としていない」という表現がやや曖昧で、不整脈であってもリズムが一定の不整脈があることを混同する可能性があります。混同注意:心房粗動(心房興奮は比較的整然としている)、期外収縮(基本的なリズムは整然としている)などの他の不整脈の興奮リズム。
- 3. 正解。心房細動では心房が効果的に収縮しないため、心房内に血液がうっ滞し、特に左心耳で血栓が形成されやすくなります。この血栓が剥がれて全身に流れると塞栓症を引き起こします。選びやすい理由:これは心房細動の最も重要な合併症であり、病態生理と直結しているため、正しいと判断しやすいです。混同注意:血栓形成が問題となる他の心疾患(例:心筋梗塞後の左室壁運動異常による左室血栓)との混同。
- 4. 房室結節での興奮伝導に障害が発生する病態は房室ブロックです。心房細動では、房室結節は心房からの不規則な興奮をすべて心室に伝えることができず、不規則な間隔で心室に興奮が伝導されます(R-R間隔不整)。これは伝導障害ではなく、生理的な興奮抑制が不規則に働いている状態です。正しくは:房室結節での興奮伝導は不規則になりますが、障害が発生する病態ではありません。むしろ、心房からの無秩序な興奮の一部を心室に伝えることで、心室が過剰に収縮するのを防ぐ役割を果たしています。選びやすい理由:不整脈であるため、何らかの伝導障害が起きているのではないか、と考えるかもしれません。房室結節が心房からの多くの刺激をブロックするため、伝導障害と誤解する可能性があります。混同注意:房室ブロック(I度、II度、III度)、脚ブロックなどの心臓伝導系における実際の障害。
国試ポイント
心房細動の病態生理と合併症(特に血栓塞栓症)
混同注意
心房細動と心房粗動、またはその他の不整脈との鑑別、特に心電図所見の違い。
次に同じ論点が出たら
心房細動に関する問題では、心電図所見(P波の消失、RR間隔の不整)、心房の収縮状態、血栓形成リスクとそれによる合併症(脳梗塞など)について着目して判断します。
関連知識
心房細動の治療法(抗凝固療法、レートコントロール、リズムコントロール)、合併症(脳梗塞、心不全)、CHA2DS2-VAScスコアとHAS-BLEDスコア。