Aさん(88歳、男性)は、長女(60歳、無職)と2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準ランクC2。仙骨部の褥瘡の治療のため、膀胱留置カテーテルを挿入することになった。膀胱留置カテーテルを挿入中のAさんを介護する長女に対して、訪問看護師が指導する内容で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
膀胱留置カテーテルを使用している患者さんの介護において、尿の性状観察は非常に重要です。浮遊物は尿路感染症や結石形成の兆候である可能性があり、早期発見・早期対応が求められます。介護者への指導として、このような日常的な観察項目を伝えることは適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 褥瘡がある場合でも、むしろ清潔保持は重要です。適切な洗浄は感染予防と皮膚の健康維持に不可欠です。排泄後の陰部洗浄は必要不可欠です。正しくは:「褥瘡がある場合でも、排泄後には陰部を清潔に保つために優しく洗浄してください。」選びやすい理由:褥瘡に刺激を与えてはいけないという思いから、洗浄を避けるべきだと考えてしまうかもしれません。混同注意:褥瘡部位への刺激を避けることと、感染予防のための清潔保持を混同する可能性があります。
- 2. 蓄尿バッグの排液は、バッグがいっぱいになる前か、定められた時間(例:1日1回など)に行うのが一般的です。体位変換のたびに排液すると、かえって感染リスクを高める可能性があります。また、蓄尿量を把握する上でも不適切です。正しくは:「蓄尿バッグの尿は、容量の約8割を目安に、または看護師の指示に従って定期的に捨ててください。」選びやすい理由:尿をためすぎると良くないという漠然とした考えから、頻繁に捨てるのが良いと誤解する可能性があります。混同注意:蓄尿バッグの管理と、体位変換の必要性を混同する可能性があります。
- 3. 膀胱留置カテーテルは、尿道の屈曲を避けるため、男性の場合は大腿の内側または下腹部に固定し、適切な位置を保つ必要があります。ただし、仙骨部の褥瘡があるAさんの場合、太ももへの固定は褥瘡を圧迫する姿勢につながる可能性があり、個々の患者の状態に応じて固定部位を検討する必要があります。また、カテーテルの種類によって適切な固定位置が異なりますが、一般的には陰茎が自然な位置になるように固定します。設問の指示が漠然としており、常に太ももが最適とは限りません。正しくは:「カテーテルが引っ張られないよう、尿道の屈曲がない自然な位置で、適切に固定してください。固定部位は、患者さんの体位や褥瘡の位置を考慮して決定します。」選びやすい理由:カテーテルの固定が必要であるという知識は正しいですが、具体的な固定部位が常に太ももとは限らない点を見落としやすいです。混同注意:カテーテル固定の必要性と、固定の適切な部位や方法を混同する可能性があります。
- 4. 正解。尿中に浮遊物がある場合、尿路感染症や結石、出血などの異常を示すサインである可能性があります。カテーテル留置中は感染リスクが高まるため、尿の性状の変化を日常的に観察し、異常の早期発見に努めることが重要です.これは介護者が行うべき重要な観察項目の一つです。選びやすい理由:尿の性状の確認は、介護者ができる基本的な観察項目であり、異常の早期発見につながるため、非常に重要な指導内容です。
国試ポイント
膀胱留置カテーテルを挿入中の患者に対する日常的なケアと観察項目、特に介護者への指導内容について問われています。清潔保持、排液管理、固定、尿の観察といった基本的な知識が正確に理解できているかを確認する問題です。
混同注意
膀胱留置カテーテルの管理に関する多くの選択肢が提示されており、それぞれが部分的に正しい知識を含んでいるように見えるため、正確な判断が求められます。特に、清潔操作と感染予防、適切な固定位置といった細部に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出た場合は、カテーテル管理における『感染予防』と『合併症の早期発見』という2つの視点から、介護者に行うべき指導内容を検討すると良いでしょう。
関連知識
膀胱留置カテーテルの合併症(尿路感染症、カテーテルの閉塞、外傷など)、カテーテル管理の原則(清潔操作、閉鎖式ドレナージの維持、蓄尿バッグの適切な位置と排液、尿量の観察)、尿の性状観察(色、混濁、浮遊物、臭気など)