Aさん(85歳、女性)は、要支援1で介護予防通所リハビリテーションを月2回利用している。Aさんから「最近排便が3〜4日に1回しかなくて、お腹が張って困っている」と通所施設の看護師に相談があった。看護師が行うAさんへの便秘に対する助言で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
排便反射は、朝食後に最も強く誘発されるため、毎日の朝食後に決まった時間にトイレに座る習慣をつけることは、規則的な排便リズムを確立し、便秘の改善に非常に有効です。これは「排便反射の活用」という便秘ケアの基本的なアプローチであり、高齢者においても無理なく実践できる助言です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。排便習慣の確立は便秘解消の基本です。特に朝食後は胃結腸反射が起こりやすく、便意を催しやすい時間帯なので、この習慣を身につけることは効果的です。高齢者においても、規則的な排便習慣は重要であり、身体への負担も少ないです。
- 2. 就寝前の大量飲水は、夜間の頻尿につながり、睡眠の質の低下を引き起こす可能性があります。水分摂取は便秘対策に重要ですが、時間帯や量には配慮が必要です。特に高齢者の場合、夜間頻尿は転倒リスクを上げることもあります。正しくは:日中にこまめに水分を摂取することや、起床時にコップ1杯の水を飲むことを勧めるのが適切です。選びやすい理由:水分摂取が便秘に良いことは知られているため、量が多ければ良いと思われがちです。混同注意:便秘対策としての水分摂取の重要性と、高齢者の生活リズムへの配慮が混同されやすいです。
- 3. 適度な運動は便秘解消に有効ですが、85歳の要支援の高齢者に1日1万歩という目標は現実的ではなく、身体的負担が大きすぎます。転倒のリスクも考慮する必要があります。正しくは:無理のない範囲で、散歩や体操など、継続できる適度な運動を勧めるのが適切です。選びやすい理由:運動が便秘に良いという一般知識から、目標設定が高いほど効果があると思われがちです。混同注意:運動の重要性と、高齢者の身体能力や安全への配慮が混同されやすいです。
- 4. タンパク質は身体の構成要素として重要ですが、便の量を増やす効果はほとんどありません。むしろ、タンパク質中心の食事は食物繊維の摂取不足につながり、便秘を悪化させる可能性もあります。便秘対策には食物繊維の豊富な食品を摂ることが重要です。正しくは:食物繊維を多く含む野菜、果物、穀物などをバランス良く摂取するよう勧めるのが適切です。選びやすい理由:高齢者は低栄養になりやすいため、タンパク質の摂取は一般的に推奨されます。そのため、便秘対策としても良いと誤解されやすいです。混同注意:高齢者の栄養管理全般と、便秘対策に特化した栄養素の選択が混同されやすいです。
国試ポイント
この問題は、高齢者の便秘に対する看護師の適切な助言を問うもので、便秘ケアの基本的な知識、特に排便習慣の重要性とその生理学的根拠(胃結腸反射)を理解しているかを確認しています。また、高齢者の身体状況(要支援、85歳)に配慮した具体的な助言ができるかどうかも評価のポイントです。
混同注意
便秘解消に良いとされる一般的な健康習慣(水分摂取、運動、栄養)の中から、高齢者の具体的な状況に最も適しており、かつ便秘の直接的な原因に働きかける助言を選び出す判断力が問われます。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、高齢者の生活背景や身体機能、現在の状態(要支援)を考慮した上で、最も実践可能で効果的な介入を選択できるか。特に、生活習慣の改善に関する助言では、無理のない範囲で継続できるかを重視して判断します。
関連知識
高齢者の便秘の要因(腸蠕動運動の低下、水分摂取量不足、食事内容、運動不足、薬剤の影響など)、排便習慣の重要性、胃結腸反射、食物繊維の種類と効果、水分摂取の適切な方法、高齢者の運動指導の注意点。