放射線療法について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
放射線治療において、吸収線量の単位であるグレイ(Gy)は、実際に生体組織がどれだけの放射線エネルギーを吸収したかを示す重要な指標です。この単位は、放射線生物効果を評価し、治療計画を立てる上で不可欠となります。他の選択肢は、放射線の種類、到達深度、照射方法に関する誤った情報を含んでいます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。グレイ(Gy)は吸収線量の単位であり、放射線が物質に与えるエネルギー量を表します。放射線治療においては、組織が吸収する線量を正確に把握することが重要です。
- 2. 放射線治療に主に用いられるのは電離放射線です。正しくは:放射線治療には、細胞のDNAに損傷を与えてがん細胞を死滅させる目的で、X線やγ線、粒子線などの電離放射線が利用されます。選びやすい理由:非電離放射線の一部(例:マイクロ波を利用した温熱療法)が補助的に用いられることがありますが、主ではありません。混同注意:非電離放射線(電波、光、赤外線、紫外線の一部)と電離放射線(X線、γ線、粒子線)の分類。
- 3. 電子線は体表近くの組織に有効な放射線であり、深部への到達は限られています。正しくは:電子線は皮膚がんや表在性リンパ節転移など、体表に近い病変の治療に適しており、深部にある腫瘍には一般的にX線や陽子線などが用いられます。選びやすい理由:粒子線の一種であるため、他の粒子線(陽子線、重粒子線)と混同して深部到達性があると考えてしまうかもしれません。混同注意:電子線と、X線や陽子線などの深部到達性に優れた放射線の特性。
- 4. 多門照射は、正常組織への線量を低減しつつ、腫瘍への線量を集中させるための技術です。正しくは:多門照射は、様々な方向から放射線を当てることで、病巣部には十分な線量を集中させつつ、通過する正常組織への線量を分散させ、副作用を軽減する効果があります。選びやすい理由:照射門数が増えることで、全体的な線量が上がるという誤解から選んでしまう可能性があります。混同注意:単一方向からの大線量照射と、多門照射による線量集中と正常組織保護の概念。
国試ポイント
放射線治療の基礎知識、特に放射線量の単位、放射線の種類と特性、そして照射技術の目的について正しく理解しているかが問われています。
混同注意
放射線治療で用いられる様々な放射線の種類(X線、γ線、電子線、陽子線、重粒子線)とその物理的特性(深部到達性など)や、放射線量の単位(Gy, Sv)と定義を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次回は、放射線の線量単位、電離・非電離放射線の分類、各放射線(X線、電子線、陽子線など)の臨床的応用範囲、または多門照射以外の放射線治療技術(IMRT, SBRTなど)の目的について問われる可能性があります。
関連知識
放射線防護の原則(ALARA)、線量当量(Sv)、放射線感受性、放射線による細胞死のメカニズム、定位放射線治療(SRT/SBRT)、強度変調放射線治療(IMRT)など。