Alzheimer〈アルツハイマー〉病で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
アルツハイマー病は、脳内にアミロイドβタンパクとタウタンパクが異常に蓄積し、神経細胞が損傷することで発症する進行性の神経変性疾患です。アミロイドβタンパクの異常な蓄積は、アルツハイマー病の最も特徴的な病理学的変化の一つである老人斑の形成に深く関与しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 高血圧症は血管性認知症のリスク因子であり、アルツハイマー病の直接的な主要基礎疾患ではありません。ただし、高血圧は脳血管に影響を与え、アルツハイマー病と併発することもありますが、アルツハイマー病の直接の原因や主要な基礎疾患とは言えません。正しくは:血管性認知症の主要な基礎疾患として高血圧症が多く見られます。選びやすい理由:生活習慣病が認知症全般のリスク要因となることから、一見正しいように感じられるかもしれません。混同注意:血管性認知症とアルツハイマー病のリスク因子が混同されやすいです。
- 2. アルツハイマー病の初期症状の最も典型的なものは記銘力障害(新しい情報を覚えられないこと)です。日付や場所を忘れる、物の置き場所を忘れるといった症状が初期に現れます。正しくは:病気の初期段階から、記銘力障害が顕著に現れます。選びやすい理由:認知症の症状は多様であるため、初期には他の症状が前面に出るケースもあるのでは、と誤解されるかもしれません。混同注意:他の種類の認知症(例:前頭側頭型認知症)における初期症状と混同される可能性があります。
- 3. 正解。アルツハイマー病の主要な病理学的特徴の一つは、脳におけるアミロイドβタンパクの異常な蓄積により形成される老人斑です。これが神経細胞の機能障害や死を引き起こすと考えられています。
- 4. アルツハイマー病における脳の萎縮は、主に海馬や内側側頭葉から始まります。前頭葉の萎縮は進行期に見られることもありますが、初期段階や特徴的な所見としては海馬・側頭葉の萎縮がより強調されます。前頭葉の萎縮が特徴的なのは、前頭側頭型認知症など他のタイプの認知症です。正しくは:MRI検査では、内側側頭葉(特に海馬)の萎縮が特徴的な所見とされます。選びやすい理由:認知症全般で脳萎縮が見られるため、部位を特定せずに「萎縮」と聞くと正しいように思えるかもしれません。混同注意:前頭側頭型認知症などの他の認知症と、脳の萎縮部位が混同されやすいです。
国試ポイント
アルツハイマー病の病理学的特徴、特に主要な異常タンパク質の名前とそれらが引き起こす病変(老人斑、神経原線維変化)を正確に理解しているかが問われています。また、初期症状や画像所見の特徴も他疾患との鑑別点で重要です。
混同注意
血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症といった他の主要な認知症の病理、症状、画像所見と混同しやすい。特に、それぞれの疾患に特徴的な病変部位や原因タンパク質は区別して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、アルツハイマー病の病理(アミロイドβ、タウタンパク)、臨床症状(初期の記銘力障害)、画像所見(海馬・内側側頭葉の萎縮)について、他の認知症との違いを明確に区別できるかどうかがポイントになります。特に、各認知症の原因となるタンパク質や萎縮部位は頻出項目です。
関連知識
アルツハイマー病のもう一つの主要な病理学的特徴として、タウタンパク質の異常蓄積による神経原線維変化があります。また、初期症状として新しいことを覚えられない記銘力障害が最も特徴的であり、MRIでは海馬や内側側頭葉の萎縮が初期から見られます。