Aちゃん(7歳、女児、小学1年生)は、3歳ころから夜間就寝中や保育所の昼寝の時に時々いびきがあり、保育所の友達に「Aちゃんがうるさくて眠れない」と言われた。母親が心配してAちゃんを小児科外来に連れて行った。その後、Aちゃんは外来で経過観察されてきたが、今年の4月から7月までの間に、急性扁桃炎を3回起こしていることや、睡眠時無呼吸がみられるようになったことから、8月中に扁桃腺摘出術を受けることになった。 定期外来の受診時に、手術が決まったことが医師からAちゃんに伝えられた。Aちゃんは「なんで手術するの」と涙ぐんでいる。扁桃腺摘出術を受けるAちゃんに対する看護師の説明で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
扁桃腺摘出術の小児における主な適応は、扁桃肥大による睡眠時無呼吸症候群です。選択肢1は、子どもにも理解しやすい言葉でその医学的な理由を適切に説明しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。扁桃腺肥大による睡眠時無呼吸症候群は、小児の扁桃腺摘出術の主な適応の一つです。この説明は、子どもの理解できる言葉で手術の医学的な理由を伝えています。選びやすい理由:子どもに直接的な死の恐怖を感じさせないよう、適切な言葉を選ぶ必要があります。混同注意:「息を止める」という表現は子どもにとって不安を誘発する可能性があるため、より穏やかな表現が望ましいと考えるかもしれませんが、医学的事実を伝える上では適切な表現です。
- 2. 扁桃腺摘出術は感染症(細菌やウイルス)の反復や扁桃の肥大が主な適応であり、「悪い虫」という表現は不正確で、子どもの誤解を招く可能性があります。正しくは:医学的に正しい病態を伝える必要があります。選びやすい理由:子どもが理解しやすいようにファンタジー的な説明を試みることがありますが、正確性に欠けます。混同注意:「虫」という言葉で病原体を指す意図があったとしても、医学的には不適切です。
- 3. 喉が「熱を持っている」という表現は炎症を示唆しますが、扁桃腺摘出術は発熱している急性期に行われることはまれで、慢性的な扁桃炎や扁桃肥大が適応となることが多いです。また、これだけでは手術の直接的な理由になりません。正しくは:手術の具体的な適応(例:繰り返す炎症、呼吸の困難)を伝える必要があります。選びやすい理由:喉の痛みや炎症が原因で扁桃腺摘出術を行う場合もあるため、一見すると適切に思えるかもしれません。混同注意:扁桃腺炎で喉が腫れて熱を持つことはありますが、手術の直接的な理由として「熱」だけを挙げるのは不十分です。
- 4. いびきは扁桃肥大による症状の一つですが、それ自体が手術の直接的な理由というよりも、いびきの原因である睡眠時無呼吸症候群や呼吸困難が問題となります。いびきだけでは、手術の必要性を十分に説明しているとは言えません。選択肢1の方がより医学的な理由を直接的に説明しています。正しくは:いびきが示す呼吸器系の問題(例:睡眠中の呼吸停止)まで含めて説明する必要があります。選びやすい理由:いびきは子どもにも認識しやすい症状であり、扁桃腺肥大と関連が深いため、選びやすい選択肢です。混同注意:いびきと睡眠時無呼吸症候群が同義であると誤解してしまう可能性があります。
国試ポイント
小児に対する医療処置の説明において、子どもの発達段階に応じた言葉を選びつつ、医学的に正確な情報を提供できるかが問われています。特に、小児の扁桃腺摘出術の適応についての知識が必要です。
混同注意
選択肢4の「いびきが大きいからだよ」も扁桃肥大の症状ですが、いびきの先に起こる「息が止まる」という重篤な状態まで説明している選択肢1の方が、より手術の必要性を的確に伝えています。
次に同じ論点が出たら
Aちゃんが不安なく手術に臨めるよう、手術前のオリエンテーションで具体的にどのような準備をするか、術後の痛みや食事についてどう説明するかを検討します。
関連知識
小児の扁桃腺摘出術の適応には、反復する扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、睡眠時無呼吸症候群、嚥下困難などがあります。看護師は、これらの適応を理解し、子どもや保護者に対してわかりやすく説明する役割を担います。