Aさん(56歳、男性)は、化学療法後の血液検査にて好中球数300/mm³であった。Aさんの状態で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
好中球は細菌や真菌などの異物を貪食し、体を感染から守る主要な免疫細胞です。好中球数が極端に低下すると、普段は病原性の低い微生物によって引き起こされる日和見感染症に対する防御能が著しく低下し、重篤な感染症を発症する危険性が高まります。
選択肢ごとの解説
- 1. 入浴は清潔保持のために重要であり、感染予防の観点からも推奨されます。ただし、シャワー浴にする、湯の清潔を保つ、長時間の入浴を避けるなど、皮膚バリア機能を損なわないような配慮が必要です。正しくは:入浴は清潔保持のため適切に行うべきである。選びやすい理由:免疫力が低下しているため、何となく清潔に関する行為全般を避けるべきだと誤解しやすいため。混同注意:傷口からの感染や、浴槽水が不潔な状況での感染リスク。
- 2. 正解。好中球は細菌感染に対する主要な防御細胞であるため、好中球数が300/mmと著しく低下している状態では、免疫力が極めて低く、通常では問題とならない病原体(常在菌など)による日和見感染症に罹患する危険性が非常に高まります。選びやすい理由:好中球減少症の病態生理を理解していれば、この選択肢の正しさは明らかであるため。混同注意:一般的な感染症と日和見感染症の違い。
- 3. 好中球減少時に歯間ブラシを使用すると、歯肉を傷つけてしまい、そこから感染を引き起こすリスクがあります。口腔ケアは重要ですが、刺激の少ない軟らかい歯ブラシや、含嗽剤の使用が推奨されます。正しくは:口腔ケアでは軟らかい歯ブラシを使用し、歯間ブラシの使用は避けるべきである。選びやすい理由:口腔ケアの重要性は認識されているため、歯間ブラシもその一環として必要だと誤解しやすいため。混同注意:通常の口腔ケアと、好中球減少時の特別な口腔ケアの区別。
- 4. 化学療法は骨髄抑制を引き起こし、好中球だけでなくリンパ球も減少させることが一般的です。したがって、化学療法開始時と比較してリンパ球数が増加している可能性は低いと考えられます。正しくは:化学療法開始時と比較してリンパ球数も減少している可能性が高い。選びやすい理由:好中球が減少していると他の白血球が増えると思い込む可能性があるため。特定の化学療法薬がリンパ球には影響しにくいと誤解する可能性があるため。混同注意:白血球全体の増減と、特定の細胞(好中球、リンパ球)の増減の区別。
国試ポイント
好中球減少症の病態と看護管理(感染予防策)
混同注意
一般的な感染症と日和見感染症の区別。好中球の働きとリンパ球の働き。
次に同じ論点が出たら
患者の免疫状態を示す検査値(好中球数、リンパ球数、CRPなど)と、それに応じた感染リスク及び必要な看護介入(予防策、早期発見)を判断する。
関連知識
好中球減少症の診断基準(一般的に500/mm以下、重度で100/mm以下)。発熱性好中球減少症(FN)の緊急性。感染徴候の早期発見。手洗い、うがい、口腔ケア、食事管理などの感染予防策。