慢性疾患の患者に対する自己管理の支援で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
慢性疾患の患者が自己管理を適切に行うためには、自身の身体がどのような状態にあるのか、どのような変化が起きているのかを正確に把握する能力が不可欠です。症状の悪化や合併症の兆候を早期に察知することで、速やかに適切な対処行動をとったり、医療機関を受診したりすることが可能になり、病状のコントロールや生活の質の維持に大きく貢献します。自身の身体徴候を把握する指導は、患者が自律的に健康管理を行うための基盤となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者の失敗体験を直接指摘することは、自己効力感を低下させ、学習意欲を損なう可能性があります。むしろ、失敗から学び、次につなげるポジティブな支援が必要です。正しくは:患者の失敗経験を否定せず、その経験から何を学び、どのように改善できるかを一緒に考える。選びやすい理由:失敗から学ぶことは重要であるため、一見正しいように見えるかもしれない。混同注意:失敗を教訓とすることと、失敗を指摘して指導することの違い。
- 2. 広範囲すぎる情報の提供は、患者にとって理解の負担となり、本当に必要な情報が埋もれてしまう可能性があります。患者の状況やニーズに合わせて、段階的かつ選択的に情報を提供することが重要です。正しくは:患者の理解度や関心、現在の課題に合わせて、必要な情報を絞り込んで提供する。選びやすい理由:知識は力であるという考えから、多いほど良いと思われがち。混同注意:情報提供の重要性と、情報量の適切性の違い。
- 3. 慢性疾患の症状に「慣れる」ことを促すだけでは、症状悪化のサインを見逃したり、適切な対処行動が遅れたりするリスクがあります。症状の適切な評価と対処法を学ぶ支援が必要です。正しくは:症状を正確に認識し、その変化に応じて適切な対処法を身につけられるように支援する。選びやすい理由:慢性疾患では症状と共存が必要な側面もあるため、一見正しいように見えるかもしれない。混同注意:症状への適応と、症状の放置・我慢との違い。
- 4. 正解。自己管理の基本は、自身の身体の状態(症状、バイタルサイン、検査値の変化など)を正確にモニタリングし、その変化に気づくことです。これにより、早期の対処や医療機関への相談が可能となり、重症化予防やQOL維持につながります。選びやすい理由:直接的な治療ではなく間接的な支援に見えるため、他の選択肢と迷う可能性もある。混同注意:一般的な健康管理と、疾患特異的な身体徴候の把握の重要性の区別。
国試ポイント
慢性疾患患者の自己管理支援において、患者自身が主体的に病状を管理するための具体的な方法論(セルフモニタリング)の重要性を問う問題です。単なる情報提供や精神論ではなく、実践的なスキル習得支援の視点が求められます。
混同注意
患者への情報提供や心理的支援も重要ですが、最も根本的で直接的な自己管理能力を育む支援が問われています。表面的な「指導」や「教育」と、患者の内発的な行動変容を促す「支援」の違いを理解しているかが問われます。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合は、患者の自己管理能力向上のために、他にどのような具体的な支援(例:目標設定支援、行動計画の立案、問題解決能力の向上支援)が有効であるか、多角的に検討できるようにする。
関連知識
慢性疾患看護におけるセルフケア支援、自己効力感、エンパワーメント、患者教育の原則、健康行動モデル(例:自己調整理論、セルフエフィカシー理論)。