喉頭摘出および気管孔造設術を受けた患者にみられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
喉頭全摘出術と気管孔造設術を受けた患者は、鼻から喉頭への空気の通り道がなくなるため、鼻腔内の嗅粘膜を刺激する空気の流れが大幅に減少または消失します。このため、嗅覚が低下するという症状が一般的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 喉頭摘出術は耳の機能とは直接関係がないため、難聴は一般的に生じません。正しくは:喉頭摘出術は聴力に影響を与えないため、聴覚の低下は起こりません。聴覚の障害は、内耳や聴神経の疾患、加齢などが主な原因です。選びやすい理由:感覚器に関する問題と混同する可能性がありますが、喉頭と聴覚器は別系統です。混同注意:聴覚と嗅覚のような他の感覚器の障害と混同する可能性があります。
- 2. 正解。喉頭摘出術と気管孔造設術により、鼻腔を通る空気の流れが減少または消失するため、匂いを感じる嗅粘膜への刺激が減り、嗅覚が低下します。術後は主に気管孔から呼吸するため、鼻からの空気の流れが極めて少なくなります。
- 3. 喉頭は発声や気道の保護に関わる器官であり、咀嚼(噛むこと)は主に顎や歯、口腔内の筋肉が担うため、喉頭の摘出が直接咀嚼機能に影響を及ぼすことはありません。正しくは:咀嚼困難は喉頭摘出術とは直接関係がありません。咀嚼は口腔内で行われるため、顎関節症や歯牙の問題、口腔内の炎症などが原因となります。選びやすい理由:嚥下(飲み込み)と混同して、口腔機能全体に影響が出ると考える可能性がありますが、咀嚼と嚥下は異なる機能です。混同注意:嚥下困難(dysphagia)と混同しやすいですが、咀嚼(chewing)は別の機能です。喉頭摘出後は嚥下機能に変化は生じますが、咀嚼機能は直接影響を受けません。
- 4. 喉頭全摘出術を受けた患者は、食道と気管が完全に分離されるため、食物が気管に入ることは構造上不可能となり、誤嚥は起こりません。食物は食道へ、空気は気管孔へと完全に経路が分かれるため、誤嚥の心配はなくなります。正しくは:喉頭全摘出術では、食道と気管が完全に分離されるため、食物や液体が誤って気管に入る誤嚥は術後発生しなくなります。選びやすい理由:術前や部分切除の場合には誤嚥のリスクがありますが、全摘出術では誤嚥が起こらないという知識が不足していると選びやすいです。また、嚥下機能の変化から誤嚥を連想しやすいです。混同注意:喉頭部分切除術後の誤嚥リスクや、喉頭摘出による嚥下機能の変更(例えば、発声補助具の使用や食事の工夫が必要になること)と混同しやすいです。全摘出術では誤嚥は発生しません。
国試ポイント
喉頭全摘出術後の身体機能の変化に関する理解が問われています。特に、呼吸経路の変更が他の感覚器に与える影響や、術後の誤嚥のリスク変化について正確な知識が求められます。
混同注意
喉頭全摘出術と喉頭部分切除術では、術後の合併症や機能的変化が大きく異なります。特に誤嚥に関しては、全摘出術では誤嚥がなくなるのに対し、部分切除術では誤嚥のリスクが残る、あるいは高まることがあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、喉頭摘出術の術式(全摘出か部分切除か)によって、合併症や身体機能の変化がどのように異なるかを区別できるかがポイントになります。また、気管孔造設による呼吸経路の変化が、嗅覚以外の身体機能に与える影響(例:加湿の必要性、気道感染のリスクなど)も問われる可能性があります。
関連知識
喉頭摘出術後の発声方法(食道発声、シャント発声、電気喉頭など)、気管孔のケア、術後の食事内容の調整、および心理的ケアの重要性。