成人の気管内吸引の方法で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
気管内吸引を実施する際は、清潔操作の維持と患者への負担軽減が重要です。吸引前に咽頭部の分泌物を除去することは、下気道への細菌侵入を防ぎ、誤嚥性肺炎のリスクを低減するための重要な手順です。これにより、吸引カテーテルが清潔な状態で下気道に挿入され、感染予防につながります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。気管内吸引を実施する前に咽頭部の分泌物を吸引することで、誤嚥性肺炎のリスクを低減し、清潔な状態で下気道吸引を開始できます。これにより、上気道の細菌が下気道へ侵入するのを防ぐことができます。
- 2. 成人の気管内吸引における適切な吸引圧は、一般的に-15~-20kPa(-110~-150mmHg)程度です。-40kPaは高すぎる設定であり、気道粘膜を損傷するリスクがあります。正しくは:吸引圧は-15~-20kPa(-110~-150mmHg)に設定する。選びやすい理由:吸引圧の設定が重要であるという認識から、具体的な数値に惑わされやすいですが、正しい基準値を覚えておく必要があります。混同注意:小児の吸引圧や、一時的に高い吸引圧が必要な状況と混同する可能性があります。
- 3. 吸引カテーテルの外径は、気管チューブの内径の半分以下(1/2~1/3程度)にするのが適切です。同じ内径のカテーテルを使用すると、気道が完全に閉塞され、換気が阻害され、無気肺や低酸素血症を引き起こす危険性があります。正しくは:吸引カテーテルの外径は、気管チューブの内径の1/2~1/3程度のものを使用する。選びやすい理由:チューブとカテーテルのサイズ関係が重要であることは理解していても、具体的な比率を誤解しやすいです。混同注意:点滴ルートや輸液チューブなどの内径と外径の関係と混同する可能性は低いですが、吸引時の空気の流れを阻害しないという視点を見落としがちです。
- 4. 気管内吸引の全行程(カテーテル挿入から吸引終了まで)は、患者の低酸素状態を避けるため、通常10~15秒以内で行うべきです。30秒は長すぎるため、患者に呼吸困難や低酸素血症を引き起こすリスクが高まります。正しくは:カテーテルを挿入し始めてから吸引を終えるまでを10~15秒以内に完了させる。選びやすい理由:吸引は短時間で行うべきという認識はあっても、具体的な時間制限の数値が曖昧な場合、30秒でも短いと感じて選んでしまう可能性があります。混同注意:吸引の回数や間隔と、1回の吸引にかける時間とを混同する可能性はありませんが、吸引による身体的負担の理解が不十分な場合に誤りやすいです。
- 5. 吸引カテーテルは気管分岐部(主気管支の分岐点)に到達する手前まで挿入し、それより深く挿入してはなりません。深く挿入すると気管支粘膜を損傷する危険があるほか、迷走神経刺激による徐脈や不整脈を引き起こす可能性があります。正しくは:吸引カテーテルは気管分岐部に到達する手前まで挿入する。選びやすい理由:より奥の分泌物を吸引したいという意図から、深く挿入することが効果的だと誤解しやすいです。混同注意:経口挿管や気管切開チューブの挿入深度と混同する可能性はありませんが、気管の解剖学的構造と吸引時の安全性の関係を理解していないと誤りやすいです。
国試ポイント
気管内吸引の基本的な手技と安全管理について問う問題です。特に、感染予防、気道粘膜保護、低酸素血症予防の観点からの適切な手順がポイントとなります。具体的な吸引圧やカテーテルサイズ、吸引時間、挿入深度といった実践的な知識が求められます。
混同注意
各選択肢が、気管内吸引における異なる重要な側面(清潔操作、吸引圧、カテーテル選択、吸引時間、挿入深度)を扱っているため、それぞれの基準値を正確に理解していないと迷いやすくなります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、吸引の回数や間隔、吸引時の体位、合併症とその対応、閉鎖式吸引システムの特徴など、より応用的な知識が問われる可能性があります。
関連知識
気管内吸引の目的(分泌物除去、気道確保)、適応、禁忌、合併症(低酸素血症、気道粘膜損傷、不整脈、感染)、吸引の準備(器材、体位)、吸引後の観察、呼吸器系の解剖生理。